幸友14
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長い視点の教育がキャリア教育も含めて必要だというお話がありましたが、大学で4年間勉強して、その後に社会へ出て、極端に言えば定年のときの自分の姿がどのようなものかまで、大学生活の早い段階で考える機会があれば、大学生活もその後も中身の濃いものになるのではないでしょうか。若者を教育していくシステムを企業と大学で意識を共有しながらつくりあげ、幸友会企業との情報交換の中で、社会へ出てからも続く長い教育の入口を大学でしっかり教えていただけたら大変ありがたいと思っています。牧野 この座談会に参加する前に、ディプロマポリシーというものを自分なりに勉強したり、キャリアセンターの方からもご説明いただきましたが、正直、批判的なイメージを持っていました。しかしいまのお話を聞いて、学長をリーダーとしてさまざまな切り口でこれだけ進めているならば、これはこれでやってもらってしかるべきだと感じました。当社には現在、私も含めて約80名の中部大学卒業生がいます。また技術系の管理職にも卒業生が結構な人数を占めています。いわゆる中部大学の学生は、非常に真面目でコツコツ取り組むという印象が我が社の中でもできています。ところが4、5年前から中部大学生の雰囲気が変わってきました。非常にコミュニケーション能力に長けた学生が増えてきたという印象です。会社は、お互いが相思相愛になった段階で入社してもらうものです。そして入社した人間は人生の中で一番長い期間をその会社で過ごすわけですから、私は人材育成とは我々企業がしっかりしなければならない責任があると思っていますし、当社では、入社してきた学生をいかに育てるかを一番のポイントにしています。お互いに選んで入社に至ったわけですから、その責任を持ちながら社会全体にとって有用な人間になってもらえるように育てる義務は我々企業側にあると考えています。木野瀬 現在の社会で、学生が経済のことをより身近に感じて勉強するのは、とても大切なことだと思います。そんな中、中部大学がより社会に対して実効性ある学生を輩出するためディプロマ戦略を打ち出されたことには、敬意を表します。私は「学生の社会人化」は必要ないと思いますが、社会に役立つ有用な学生スペシャル座談会DISCUSSION 201106

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