幸友14
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三浦 本日はお集まりいただきましてありがとうございます。早速ですが、まずディプロマ戦略室設置の背景とその取り組みについて、学長からお話し願います。山下 中部大学では、ディプロマ戦略室を設けて、この4月から具体的な活動をはじめています。本学には、「不言実行 あてになる人間」という建学の精神がありますが、この「あてになる人間」を自分たち大学側が考える教育だけで育成するのではなく、社会で意味のある働き方ができる人材を育成するためには、社会から教わる必要があります。そのためにはまず、どんな人材が役に立つのかの注文を伺い、その注文に応えられるような人材育成を1年次からはじめていこうと考えました。しかし、この人材育成は大学だけではできません。そこで社会的、職業的にも自立して社会の発展に貢献できる能力を身につけた優良な人材を、社会全体の中でどのように育成していくかをあらゆる側面から試行錯誤しようと思い、その中心的な組織としてディプロマ戦略室を立ち上げたのです。三浦 続いてディプロマ戦略室の「戦略」についての考えを佐藤先生からお願いします。佐藤 「ディプロマ」という言葉だけで解釈しますと、資格や卒業証書という意味ですが、広義で言えば、出口の品質保証、つまり大学がどういった人材を世の中へ送り出すか、それを保証する教育をおこなうということです。具体的には、たとえばグローバルな視点で物事を考えられる人材を育成する、あるいはコミュニケーション能力を育てるということを宣言する。そこを目指して、カリキュラムを変える必要があれば変えていく。そうしたときに掲げるものが本来の「ディプロマポリシー」であると思いますが、「ディプロマ戦略」とは、それをさらに拡大解釈したものです。社会からのフィードバックを反映して、本当に我々の教育はこれで良いのかと常に見直すことも必要ですし、本学ではさまざまな分野における「あてになる人間」を育成する責務もあります。そのために必要な事柄を戦略的に考えていこう、あるいは社会の中の大学という存在で、どんな人材を輩出したらよいのかという視点から、打つべき手を打っておこうというように、ディプロマという言葉の枠を越えた取り組みをしているのが現状です。例えば、入社後1年で会社を辞めてしまう事例があります。いまスペシャル座談会DISCUSSION 2011ディプロマ戦略室設置の背景とその取り組み第1章04

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