幸友14
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 電子書籍元年といわれた2010年、その少し前から英和、独和といった辞書・辞典類は電子辞書に置き換わってきています。いわゆる“読む”ではなく、“引く”という動詞を用いる書籍です。“読む”書籍においても、実はこれまでにも電子書籍時代到来と謳われたことが幾度かありました。しかしデバイスの操作性、バッテリーのもち、コンテンツの流通等の問題から成功には繋がりませんでした。 しかし今回の「電子書籍元年」は、iPad、Kindle、スマートフォン等の最新デバイスの性能、ネットを使ったコンテンツの配信、代金の決済、あらゆる角度から見て条件は揃ってきたように感じます。丸善CHIグループもドコモ スマートフォン等向け電子書籍ストア「2Dfacto(トゥ・ディファクト)を2011年1月より開設いたしました。「2Dfacto」は、紙と電子のハイブリッド型総合書店をめざしてゆきます。 常に取り上げられる紙か電子かの議論は、いきなりゼロか100かといったものではなく、共存する中で時間をかけてその割合が変わってゆくと思われます。少なくとも数年前にはゼロに近かった電子書籍のマーケットが確実にその割合を増やしてきています。提供する側としては、あらゆるニーズに対応できるようにしたいと考えますが、一読者としては、指をなめて頁をめくる楽しみや、書架に並ぶ背表紙を眺める所有感の喪失に一抹の寂しさを感じます。 今年3月11日に発生した東日本大震災以後、スーパーマーケットの売場は、水・米・カップ麺・缶詰・ヨーグルト等の欠品が続出しました。私が、この業界に入って、初めて体験した出来事でした。商品の正常な流通へ戻るのには、数か月を要しました。今まで、供給過多・オーバーストアーの状況から一変し、需要に供給が追い付かない状況が続き、お客様に大変ご迷惑をおかけしました。 いつも、当たり前におこなっていたことが、いかに大切で重要な事業であったかを知り、また、我々食品スーパーは食のライフラインの重要な一翼を担っていることを痛感しました。 世界経済はリーマンショック以降、停滞し日本経済も混迷を極めています。 そんな時に、マネジメントを発明し、マネジメントの父と言われていますドラッカーの著書を「主役」にした、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』の小説・アニメーション・映画が大ヒットしました。私も、社長就任後、ドラッカーの書籍を読みましたが、自分の疑問を解決してくれる指南書になっています。 事業とは「顧客の創造」にあり。マネジメントするには、目標が必要である。本業において社会貢献し、働く者の自己実現の場となり、社会に役立つことが大切である。等々 我が社の従業員には、自分自身の夢・目標を持ち、その実現が生きがいやりがいに繋がると話しています。私自身も、社会貢献のため努力し続けたいと考えています。電子書籍と紙の本夢・目標の実現丸善株式会社 名古屋支店長 嶋田 敏明株式会社アオキスーパー 代表取締役社長 宇佐美 俊之 しまだ としあきうさみ としゆき42

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