幸友14
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バリアフリーは、障害を持っている人を対象にしている一方、ユニバーサルデザイン(UD)は、子どもからお年寄りまでさまざまな人が利用できるように環境をデザインすることです。なかでも私は、ユニットバスやトイレなどを、実際に障害のある方にご協力いただき、どうすれば使いやすくなるかを研究しています。UDの観点から考えて対象を広げると、専門的な知識が必要になります。たとえばオフィスビルのトイレをつくる時や介護認定を受けた人が住宅改修をおこなう場合などは、バリアフリー新法、介護保険法などの法律の知識が必要です。メーカーとして対象の拡大は良いことですが、いろんな要望を抱えている人に細かく対応することは、面倒なことと思うかもしれません。しかしそこは長い目で見て、目先の価値だけで判断せず予測してほしいのです。10年で社会環境はガラッと変わります。さて、この先みなさんが就職して、壁にぶつかることもあるでしょう。そんな時に心の支えとして持っていてほしいのは、どんな仕事の先にもお客様がいるということ。そして仕事の価値を知っているのはそのお客様です。そういう人たちからパワーをもらえる仕事を目指してぜひ頑張ってください。学生のみなさんは働いた経験がありませんから、働く実感といわれてもなかなかわからないと思います。しかし働く上で大切なのは、どこの会社に入るかではなく、会社に入って「何をするか」です。その答えがあれば、充実した仕事人生が迎えられるはずです。就活中、誰もが自分の価値観と一致した仕事を見つけたいと思いますが、現実的には妥協しなければならないことが多々あることを、就職の面接で実感されると思います。就職とは、人生でみなさんが初めて自分の将来を自分の責任と権限で決定して、その結果に責任を持つことです。そして就職の本質は、「働くことへの実感」を感じることです。仕事は、自分にしかできない、あるいはほかの人でもできるという「代替性」によって面白さが変わってきます。職業には貴賎はありませんが、面白さには確実に格差が存在します。仕事を「愉しむ」ことができるかどうかが分かれ道です。「他の人が欲しがるような人生を、あなたも欲しがりなさい」という人生観を受け入れていては、幸せにはなれません。「本当に自分がほしいもの」を手に入れて、初めて人生は豊かになります。自分の人生を自分で切り開いていくことが、今のみなさんに求められているのです。2010年10月27日(水)開催[インターンシッププログラムとして][インターンシッププログラムとして]2010年11月10日(水)開催会社のしくみと私の立ち位置「働くこと」と「就職」を考える…「働くことへの実感」とは講師講師 きはら ゆきこ木原 由起子氏株式会社INAX総合技術研究所 空間技術開発室UDグループ まつお やすお松尾 康男氏東洋電機株式会社代表取締役社長どんな仕事の先にもお客様がいることを心の支えに。どの会社に入るかではなく、その会社で何をするか。幸友会会員企業から中部大学生へのメッセージ幸友会講座ダイジェスト演題演題39

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