幸友14
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 東日本大震災による福島の原発事故以降、原発問題への世間の関心は非常に高まっています。そのため、いま原発関連本を読んでいる方が非常に多く、みなさんその内容に感心されているようです。確かに、内容自体はいいことが書いてあると思います。しかし、今回の原発事故以降、多くの科学者たちの発言が揺れているのです。以前は、ほとんどの科学者が原発は安全に設計されているから大丈夫だと発言しており、原発は危険だと指摘していたのは、ほんの少数の人たちで私たちの暮らしを、より豊かに向上させてきた「科学」。しかしその発達は、私たち人間を含めた自然界において、異質さを際立たせるものでもありました。今年の3月に起こった東日本大震災による福島の原発事故。科学が明らかにした原子力の暴走から、私たちは何を学ぶべきなのか。「科学のあり方」と原発関連本の読み方について、お話を伺いました。今回のテーマ「原発関連本」を 正しく読み解くために。中部大学 生命健康科学部生命医科学科 いとう やすひこ伊藤 康彦教授昭和42年名古屋大学医学部卒業。血液内科医を目指すも挫折し、以後ウイルス感染症の研究に従事。名古屋大学医学部、国立予防衛生研究所や三重大学医学部と働き場所を変え、平成18年中部大学に赴任。最近は戦後の生物学思想について調べている。今回お話を伺った方―最近、本屋には原発関連本がたくさん並んでいますね。27

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