幸友14
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 2007年7月から、アメリカ、カナダの在名古屋領事として、それぞれ中部の経済を肌で実感されてきた八木エドワード氏とアラン・エドワーズ氏。講演では、北米の視点から、日本や中部地方の現況、将来のビジネスに必要な考え方などを流暢な日本語でお話いただきました。「名古屋は素晴らしいものづくりの印象が強いが、その一つの柱に頼り過ぎています。ものづくりを基礎として、今後どのような新しい経済を考えていくかの将来の方が大切。そのためにも前向きな気持ちとアイデアを持って、パートナーシップをつくっていくことが重要です」。自由貿易で新たな技術を発展させ、経済力を伸ばしてきたアメリカとカナダの両国間のようなパートナーシップの必要性に加えて、日本には財政不安等の経済問題よりも将来への悲観的な気持ちの問題が大きいことを指摘しました。またアラン氏は、多額の負債を抱えていたカナダが、政権交代を経て1997年に財政が黒字化したことの背景にあるプログラムを例に、さらに八木氏は、日本の少子高齢化に対する国の対策の遅れを例にあげ、はっきりとした目標を持つことの重要性に言及。「国、地域、会社、個人一人ひとりが、目標や夢を持ったほうがいい。そうすることが国際的な競争力低下の歯止めになるはず」と話されました。また「人口が減少することは“問題”ではない。人口が減少することにどんな利点があるのかという発想に転換させることこそが必要で、人口ピラミッドがアンバランスだという“課題”にどう対応するかをビジネスチャンスとして考えるべきです」と強調。日本を支持、信頼している立場だからこそ、グローバル社会で日本が生きていくために必要な考え方を強くアドバイスされました。〈演題〉北米から見た中部の現況と将来のビジネスチャンス〈講師〉八木 エドワード氏〈講師〉アラン・エドワーズ氏在名古屋アメリカ合衆国領事館商務領事在名古屋カナダ領事館領事兼通商代表企業経営 講演会企業の経営に役立つ“実践経営塾”として毎回、各界から第一人者を講師にお迎えし開催している「企業経営講演会」。ビジネスにおける成功の秘策は?リスクは?今号も、講演の模様をダイジェストでお伝えします。第14回企業経営講演会2010年11月24日(水)開催17

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