中部大学教育研究20
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管理に備えた。次に、GoogleSuiteについて大澤先生から説明してもらった。和田先生と平井先生が学生役となってくれていた。参加者は実際に自分のGoogleSuiteのアカウントをとるところから教えてもらった。CoursePowerを使うとしてもダウンしてしまわないように、学籍番号の奇数偶数で使う日を分けるなど運用が複雑になり、とはいえTora-Netメールで大人数講義を管理するのは大変なので、GoogleSuiteを学んでこれを使ったほうがいいようだった。大澤先生は、私も参加教員のひとりである授業「ハイブリッド・プロジェクトB」のまとめ役であり、その授業を、GoogleClassroomを通じた課題作成と提出・閲覧、およびテレビ会議システムを使ったリアルタイム授業をミックスして進行する計画を立てていた。加えて、連絡網としてLINEも使っていた。スタートアップセミナー(1年)や国際応用演習A(2年)や専門演習(3年)などの少人数ゼミにZoomなどのテレビ会議システムを使うことになる教員は多く、GoogleMeetの設定を知っておくほうがよかった。第5回遠隔授業講習会★出席は任意(絶対に無理されませんように)・日時:5月13日(水)15時30分~・場所:924教室(窓を開けて間隔をあけて着席、マスク着用)・内容:音声データの作成(平井芽阿里先生、伊藤正晃先生)GoogleSuiteの説明(大澤先生、高先生)5月7日(木)から授業が始まったので、第5回は開始時間を15時30分に変更した。また、これまで使っていた10号館の建物はWi-Fi環境のない学生が来学して使用することになったので、場所を924教室に変更した。第5回にはメールで音声データの作成について情報を送ってくれていた平井先生と伊藤正晃先生から授業紹介をしていただいた。第5回講習会前日の5月12日(火)に平井先生からメールをいただいた。平井先生は、以前に紹介してくれた全学共通の「生活環境と人間」という授業を、その後、音声データとスライドをPDFにした資料で授業を試みた。その際に、学生から「通常の授業を受けているみたい」という喜んだ声が多かったため、より多くの教員が音声データ付き資料を作成できるように「ギガに優しい」音声データの作成方法があるサイト注4)を共有してくれた。なお、Windowsの場合にはサイトにある無料アプリ「Audacity」の使い方がわかるサイト注5)が参考になるそうだ。当時ほとんどの学生が少人数演習でリアルタイム授業を受ける以外は、送られてきた資料を読んで課題を考える通信教育のような状況にあった。教員は慣れない遠隔授業の資料を作成するだけで四苦八苦しているが、受講する学生も同じく苦労している。味気ない通信教育をせめて音声データ付きにする必要性を強く感じた。学生にとって「通常の授業」に近い平井先生の授業形態を学んでおけば、今学期はオンデマンド授業でしのげても、今後第2波が来る可能性のある秋学期に備えられるからである。また、Zoomを使う際の「入室後の設定」というPDF、日本文化人類学会が提供している「Zoom利用基本マニュアル」のファイルも添付していただいた。同じく音声データの作成方法として、伊藤正晃先生からYouTubeで中国語の授業を作成されたものを紹介していただいた。第5回講習会は音声データ付きの資料を作成する方法を学ぶ回となった。その後、大澤先生と高先生より、前回よりさらに詳しいGoogleSuite(とくにGoogleClassroom)の説明が行われた。講習会に先立って、大澤先生が5月9日(土)のメールで、工学部作成のマニュアルを学部教員に回してくれた。マニュアルを読んだうえで講習会に臨んでほしいとあった。それは、以下の4つ、GoogleClassroomの使い方注6)、講義クラスの作り方注7)、GoogleSuiteforEducationの初期設定方法注8)、BlackBoardのなかの「教員専用【遠隔授業】情報交換掲示板」注9)であった。GoogleSuiteを学ぶことの難しい情報弱者の教員がCoursePowerを使えるようにするために、高先生があえてGoogleSuiteに移ってくれたが、何人かの学生がどうしてもGoogleSuiteに参加できないらしい。この問題は大きく、まだすべて解決したとは言い難い。高先生自身の対処策は次の5つ、1.宇宙航空理工学科のホームページの「step1」を確実にやらせる、2.日本語入力/英語入力、大文字/小文字などの注意、3.クラスコードをコピー&ペーストで入力させる(間違いがないように)、4.Tora-NetのID・PWと、GoogleClassroomのアカウント・PW、クラスコードを混同しない、5.GoogleChromeを使わせるであった。後に、大澤先生から、もうひとつの原因として、学生がすでにもっているGoogleのアカウントから入ったため大学のGoogleに参加できないのではないかとの追加の情報を得た。5月17日(日)のメールで学部全教員に宛てて大澤先生がご自身で作成された動画を2つ教えてくれた。GoogleClassroom上でのファイルのアップの仕方についての動画と、ファイルを授業などで学生と安全にシェアする(たとえば、複数の自己紹介やプレゼンなどをまとめて特定の場所にアップロードし、学生はそれをあらかじめ見て授業に臨む/感想を書く)方法に中部大学教育研究No.20(2020)―82―

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