中部大学教育研究20
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「英語の歌詞を、聞いてすぐに理解できるようになりたいと思った。」「歌詞の中のコンマの使い方についての話が印象に残った。1つのコンマで色々な感情を連想させてくれるのはすごいと思った。この歌で子音群の発音練習ができて良かった。」「もっと英語で話すのをうまくなるために英語の歌を聞いていこう!」「たまに洋楽を聴くことはあっても意味を自分で訳してみると言うことをほぼしたことがなかったが、1つの歌を訳したり発音を調べたりするのは楽しく英語を学べて良いなと思った。発音が特に苦手なので、これからは歌詞を見てこの英単語はこう発音するんだ、という風に勉強してみたい。」6学習記録と授業への反映昨年度、本授業では「Self-ReflectionForm」(SRF)を紙媒体で活用する試みをしていた。小栗は2000年度から2018年度まで語学教育センターの語学専用自主学習室(SIRoom)で自主学習記録(紙ファイル)を通した自主学習支援をしており、その経緯から学習記録を残す効果を理解していたこと、同僚がカード式の授業記録を英語授業で実践していたことから、SRFカードは2019年度に誕生した。これは授業を受講しっぱなしにしないよう、最後に自分の中に納めるための手立てである。スポーツで言えば、クールダウンのような時間を毎授業最後に5分程度に設け、「その授業での自分」を省みてカード記入するようにし、学習の足跡を可視化しようとしていた。チェック項目には、集中度、達成感、ペア・グループワークでの協調性、辞書活用等があり、その授業で一番頑張ったことや感想・反省・次への期待を記述してもらっていた。遠隔授業でも何らかの振り返り機会と学習記録が必要であると考え、Glexaの「活動フォーム」を活用して、SRFオンライン版を用意することにした。授業時間だけでなく自主学習の際の学習についても記入し、学生が学習をその場で放置せず積み重ねを実感すること、前の学習を振り返りながら次へ進むことをし、学習に継続性を持たせることを意図した。教師は、記録されたSRFを観察することで毎授業、毎学習時間、1つ1つの課題に学生がどう反応しているかを把握しようとした。SRFオンライン版の記録項目は、①受講・学習日時、②学習開始時間・終了時間、③学習形態(授業・自主学習)、④体調(5段階評価)、⑤取り組んだ学習の種類(選択肢)、⑥学習の集中度と達成感(5段階評価)、⑦講義資料の学習への反映度(5段階評価)、⑧講義資料から学べたこと、⑨反省・感想(記述)とした。図14は、活動フォームを作成した教師画面の一例である。Glexaの「活動フォーム」には既成の形はなく、教師が必要な項目を用意し、それに適した表現形式を選んで構成することができる。図15は、Glexa上のSRF提出一覧表示の画像である。日付の下のカギ括弧の数字は、提出数を表している。第1週5月7日(木曜日)は、本学での遠隔授業の初日でもある。その日にはクラスの半数ほどしかSRFを提出できていないが、利用手順にも徐々に慣れてきブレンドから遠隔への最適化―61―図14「活動フォーム」作成教師画面例(Glexa)図15Self-ReflectionForm提出状況(Glexa)

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