中部大学教育研究20
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したり、「メッセージ」機能により、各レッスンに関するフィードバックを学生に返したりすることができる。4.4評価方法の選択従来の本授業では、図3が示すように対面授業と自己調整学習でのオンライン学習をスパイラル(循環的)に結びつけたブレンド型授業を行ってきた。その評価は、①出席、②対面授業時間での学習実態、③オンライン学習の成果、④小テスト、⑤教室集合型オンライン試験、⑥音読録音提出をもとにしてきた。今回の遠隔授業では、授業時間での学習姿勢を評価に入れづらいことは明らかであった。「本人にしかできない」英語面接と音読録音提出の評価を重要視することにし、毎回の授業で取り組んだ成果を、英語面接と音読録音で発揮してもらうことにした。コミュニケーション時のリスニングにもスピーキングにも役立つ力を形成するため、発音トレーニングをリスニングと結びつけて重点的に進めた(図4参照)。英語面接と音読試験の評価では、各自のトレーニングや学習がどの程度反映されているかを重視し、音読録音では2014年度より小栗が開発している採点ルーブリックをさらに改良して使用した。5授業における工夫5.1習得と持続性に向けた工夫遠隔授業の開始と共に、一部の授業を除き学生は1日の大半を黙々と過ごしているのではないかと推測した。ともすれば、誰ともことばを交わさず、一言も発声することなく1日を終えている学生もいるかもしれないとも推測した。当初「遠隔だけで発音指導をすること」は難題であると考えていたが、敢えてこれにチャレンジしてみようと考え直したのは、この授業時間が声を出す機会になればという思いからである。発音指導の方法は様々であるが、本授業が実践した流れは図13のとおりである。まずGlexaを出発点に発音レッスン資料をLectureNotesとして用意し、姿勢、発声方法から解説・指導した。資料の中には、YouTubeに公開されているRachel'sEnglishや、EnglishLanguageClub、Tim'sPronunciationWorkshop(BBC,LearningEnglish)、Pronunciation(BBC,LearningEnglish)等、プロの発音インストラクターが示すモデル、特に口元を動画で観察でき、様々な話者の発音を観察できるようにした。LectureNotesの中の発音レッスン解説は、授業最終日までに11件を数えた。解説を読み、YouTube例を通して学習をした後は、重点をさらに確認できるよう、GlexaにPronunciationLessonsを用意した。これは主にWellSaid(Cengage)とFocusOnPronunciation(Pearson)を参照して作成した教材である。授業4週目6月4日から最終週7月30日までに、PronunciationLessonsは51件を数えた。解説とPronunciationLessonsを合わせれば、全62件のオリジナル教材で基本のトレーニングをした後、それを応用してさらにBrixでトレーニングするという流れとなった(図13参照)。単語や文の発音をただトレーニングするだけになってしまうと、発音疲れを感じる学生も少なくない。これからコミュニケーション能力を培っていこうとする手前で「発音はつまらない」という印象に至らせてしまっては問題である。もう少し工夫が必要であると考えた策は、2コマ連続授業の合間の息抜き要素となるブレンドから遠隔への最適化―59―図12Brixの学習進捗状況確認画面図10Glexaでのアクセス表示例図11Glexaの受講状況表示画面

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