中部大学教育研究20
72/168

の指導においてはYouTubeなどで公開されている発音レッスンへ導くことをした。Zoomのブレイクアウト機能などを使えば、通常対面授業で行っているペアワークやグループワークも不可能ではない。しかし本授業では、英語力の差が大きな90人を超える1クラスで、果たしてそれが適切なのかどうかを熟慮した。英語力の差が大きい大所帯クラスを分け、目の届きにくいところでペアワークをさせた場合、そうした時間を費やすことが果たして英語基礎力を培う上で効果的かどうかを検討した。グループにした場合に生じる誰かが発言をして他が発言機会を失うような時間の過ごさせ方は避けるため、ペアやグループでの取り組みは保留した。その代わり学生にコミュニケーションをさせ、また教師が学生の英語力・学習力を把握できる機会とするため、英語面接を個別に行うことにした。時間割配置されている時間にメイン教師のAllenが面接官となれるよう計画をして、一学期の前半と後半で一人2回ずつ面接実施できるようスケジュールを組んだ。各時間、10分刻みに配置された9人は、指定日時にZoomにて待機し、Allenの招きによって面接が実施され、終了後退室していくという方法を取った。面接は学生の了承を得て評価用に録画している。図9は面接実施の様子を表している。面接には、本授業を共に担当する小栗、杉山もできる限り参加したが、参加中、小栗、杉山はカメラと音声をオフにすることにし、学生がAllenとの対話に集中できるようにした。観察のかたわら、小栗、杉山は観察メモと簡易採点を記したが、Allenは面接に集中し、後日録画を再確認して評価を行うことにした。4.3進捗状況の把握と指導図10は、Glexaでのアクセス状況表示(教員モード)である。これは2020年7月9日(授業10週目)の実際のアクセスの一部で、1ブロックは15分間を示し、青色はGlexaクラスへのアクセスを、赤色は課題着手(学習)を示している。7-8限の開始となる15時20分よりも前から授業に集まり、9-10限の終了となる18時35分以降も居残り学習を継続している学生がいることがわかる。図11は、学生の学習の進捗状況を示す「課題受講状況」表示画面(教員モード)である。これにより、クラス全体の学習の進み具合や、個々の学生の状況を瞬時に把握することができる。公開する課題の量やタイミングを図ったり、学習の遅れが見られる学生には個別にメールで相談に乗ったりということをするのに役立てることができるものである。BrixにおいてもLMSを活用し、図12のような画面で学習進捗状況を把握し、指導やフィードバックに活かすことができる。Brixでは図12が示しているように、「現在の学習画面」でいつ学習をしたのかを把握中部大学教育研究No.20(2020)―58―図9本授業での英語面接構成図8本授業の全体構成

元のページ  ../index.html#72

このブックを見る