中部大学教育研究20
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Glexaで作成した教材は、他の年度や他のクラスにコピー・移動することができる。これを活用し昨年度までの教材を遠隔授業に適するように修正し活用することにした。今回の遠隔授業で大いに役立ったGlexaの機能は、①「コンテンツ追加」機能、②「アクセス」表示機能、③「出席」集計、④「受講状況」表示機能、⑤「活動フォーム」作成・提出機能であった。さらに、教師と学生自身が確認できる「マイページ」機能では、(a)「アクティビティ」ログ、(b)「ファイル」提出状況、(c)「活動フォーム」提出状況、(d)「利用状況」グラフ(期間合計、曜日別、時間帯別)を確認することができる(図6参照)。学生は「成績」機能で課題進捗状況を確認でき、最終評価の段階では、課題の重みづけを必要に応じて設定したり、期間設定したりして、成績をダウンロードすることができる。3.2ATRCALLBRIX英語e-Learning教材Brixは、2013年度から導入されている。「聞く」「話す」「読む」「書く」をバランスよく学習できる英語学習システムで(図7参照)、発音やリスニングの基礎コース各種と検定試験コース各種とがある。本学が導入している既存のコースの中から学生の英語力レベルに適したものを選んで1コースフルで使用することができるほか、オーサリング機能を用いて、目的に応じたコースをトリミングしコンパクトな教材にすることもできる。本授業では、従来はコース選定しそのままフルで課すことが多かったが、この遠隔授業では学習の焦点を絞ってトレーニングをしやすいよう、学習目標に応じてトリミングしたコースを多数用意した。本授業でBrixを活用してきた成果については、「中部大学教育研究No.18」(小栗他.2018)を参照されたい。3.3コミュニケーション媒体学生とのコミュニケーションは、Glexa「お知らせ」掲示板機能を発信のベースとし、授業時間にはGlexaの「チャットルーム」や「フォーラム」を使用した。個別あるいは授業時間外の学生とのコミュニケーションにはメールを、個別面接や発音クリニックにはZoomを使用した。教師同士のコミュニケーションは、話題ごとに投稿を束ねられるSlack(SNSの一種)を使用し、教師の資料はGoogleドライブやDropboxを用いて共有・管理した。4学習目標の最適化と授業実践工夫4.1LectureNotesの誕生遠隔授業の始まりは、まさに手探りの状況であった。従来の授業でもGlexaの「お知らせ」機能を周知に使うなどしていたが、遠隔授業では、講義資料や手順の解説がさらに大きな役割を担う。学生の受講環境に配慮してデータダイエットをする必要もあり、どのような方法で伝えるのか熟慮を要した。授業内容に適した形になるよう、パワーポイントで作成したトピック別の講義資料(日本語)をPDF形式で配信し、各自のペースで少しずつ読んでもらうことにした。資料を読むという行動は、英語でのリーディング能力、情報収集能力とも無関係ではないと考えたためでもある。日本語が母語ではない学生も受講していたが、受講時に日本語での資料提示で問題がないことを確認している。講義資料は、LectureNotesと名付けGlexaの「コンテンツ追加」機能で配信することにした。4.2授業の流れと柔軟性の確保図8は、本授業の構成を表している。授業はGlexaを“ホームルーム”とし、Glexa「お知らせ」機能を用いて毎授業時、授業内容と学習順序を提示した。LectureNotesとして操作手順、学習手順、学習上の注意事項、効果的な学習方法解説、学習ポイント解説、言語や異文化理解を説明した講義の内容等を記した。オリジナルの動画配信は特にしていないが、発音面ブレンドから遠隔への最適化―57―図7ATRCALLBRIX紹介Webページ(内田洋行)図6各学生の「マイページ」にある利用状況グラフ(Glexa)

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