中部大学教育研究20
46/168

ものである。また、数値は全て100点満点に換算してある。なお、分析に用いたのは、SPSSStatistics24(MacOSX版)である。大門他(2019)で報告したように、改訂版のテストでは(i)「零点」の受験者がいなくなった(初級、中級)、(ii)得点のばらつきが減った(標準偏差の値の減少)、(iii)読解方略に関する問題と文法に関する問題の平均の差が近接するようになった(特に初級)という改善点が見られた。最初の二つについては、今回のテストにおいても概ね踏襲されていると言える。すなわち、(i)「零点」の受験者は中級の文法問題に限定されており、(ii)標準偏差の値も、上級の文法問題以外では小さいままである(むしろ2018年度より小さくなっている)。しかし、読解方略に関する問題と文法に関する問題の平均の差については、初級で14.9点(62.8点-47.9点)、中級で8.9点(77.9点-69.0点)と大きく開いてしまっており、その理由は不明であるが、今後注視する必要がある。3.2秋学期次に秋学期の到達度確認テストの結果を表4から表6に示す。有効数は初級が152(2018年度は176)、中級が1694(2018年度は1629)、上級が262(2018年度は232)であった。数値は全て100点満点に換算したものである。春学期よりも全体的に得点が低めなのは、秋学期の問題には春学期の既習内容も含まれるため難易度が上がるからだと考えられる。2018年度に見られた改訂版のテストにおける改善点は、春学期に見られた三つの改善点のうちの二つ目と三つ目であったが、この傾向は2019年度にも見られ、旧版と比べた場合の改訂版の有効性が確認されたと言えるであろう。4語彙テストの結果2018年度より実施をはじめた語彙テストの結果を表7から表9に示す。有効数は初級151(2018年度は219)、中級1687(2018年度は1657)、上級262(2018年度は230)であった。中部大学教育研究No.20(2020)―32―表1春学期の到達度確認テストの結果(初級)19181918表2春学期の到達度確認テストの結果(中級)19181918表3春学期の到達度確認テストの結果(上級)19181918表4秋学期の到達度確認テストの結果(初級)19181918表5秋学期の到達度確認テストの結果(中級)19181918表6秋学期の到達度確認テストの結果(上級)19181918

元のページ  ../index.html#46

このブックを見る