中部大学教育研究20
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4.3新型コロナウイルスの影響「Happybirthdayを2回歌いながら手を洗うことこそ一番の対策だ」とBBCのニュースで流れる助言に従っていた日々が懐かしい。世界がこれほどまで深刻に、長くこのウイルスの影響を受けることになるとは、3月末の自分には想像ができなかった。1年間の在外研究は突如終わりを迎え、滞在最終週は(この1年を象徴するように)激動の1週間となった。帰国まであと1週間と迫った3月15日の朝、念のため予約していた23日発のルフトハンザ便の運行状況を確認すると、その便がキャンセルされたことを知る。すぐに22日の便に振り替えたものの、数時間後にその便もキャンセルに。そこで、ルフトハンザの名古屋着の別便を予約しながら(のちにキャンセル)、ANAの羽田着の直行便を独自に予約。この判断が功を奏し、なんとかロンドン経由で帰路につくことができた。(ちなみにこの時ヒースロー空港内のショップやレストランはほとんど開いておらず、閑散とした異様な雰囲気だった。)羽田到着後も検疫のために1時間以上待たされ、さらに欧州からの帰国者には日本政府から2週間の自主隔離の要請があったため、実家のある岐阜まで帰るのに公共交通機関を使用できなかった。結局、家族に車で迎えに来てもらって帰宅することになった。英国で生まれた生後3ヶ月の息子を連れての帰宅だったため、これは本当に助かった。出国直後に英国全土で外出禁止令が発表されるなか、「もし1日遅れていたら...」という思いもよぎった。今、こうして無事に生活できていることに心から感謝している。思えばこの2019年度の1年間は、英国がEU離脱や新型コロナウイルスへの対応などに揺れた、まさに激動の1年だった。今なおその影響は深刻に続いているが、この状況のなかでも充実した研究生活を過ごすことができたのは、ひとえに関係者のみなさまのご配慮によるものである。心からお礼を申し上げたい。5おわりに本稿では、英国リーズでの海外研究期間を振り返って研究と私生活での経験を短くまとめた。私を快く送り出してくださった語学教育プログラム(英語)の先生方、研究支援課と人間力創成総合教育センターのみなさま、その他関係者のみなさまに心からの感謝をお伝えしたい。今後は、この滞在で得た知見を存分に活かし、引き続き研究を進めるとともに、本学学生のための言語教育の推進に努める所存である。中部大学教育研究No.20(2020)―142―写真5Hanks博士の家族や友人らとのクリスマスパーティーにて写真6教育学部主催行事における教職員バンドでの楽器演奏

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