中部大学教育研究20
132/168

質問項目は、基本属性(学年・性別・部活動)、1週間の清涼飲料水の摂取状況(摂取日数、朝食時の摂取日数・摂取量・購入時の重視する事柄)、清涼飲料水に対する意識、最近1か月の生活習慣(朝食・喫煙・飲酒・運動・睡眠)である。なお、清涼飲料水とは、市販のコーヒー飲料、炭酸飲料、果汁入り飲料、スポーツ飲料、ゼリー飲料、コーヒー牛乳、お茶、ミネラルウォーターを含むが、お酒や他の乳・乳製品は除外すると定義した。2.3分析方法それぞれの質問項目を単純集計した。「1週間のうちで清涼飲料水の摂取日数はどれくらいか」という質問に対して「5日以上」と回答したものを「よく摂取する」、「0日」「1または2日」「3または4日」と回答したものを「あまり摂取しない」とし、2群に分けて摂取状況、生活習慣などを比較分析した。カイ二乗検定、マン・ホイットニーのU検定、t検定を行い、有意であった摂取状況および生活習慣の項目について多重ロジスティック回帰分析を行い、「よく摂取する」ものの要因の抽出を行った。分析には統計解析ソフトIBMSPSS(StatisticalPackageforSocialScience)24を使用し、p<0.05を有意水準とした。2.4倫理的配慮本研究は、中部大学倫理審査委員会の承認(番号20200010)を得て実施した。調査対象者には、文書と口頭にて調査の趣旨、本調査への参加は自由意思によること、調査に参加しなくとも成績や単位修得に不利益は生じないこと、調査結果は目的以外では使用しないこと、無記名であり個人は特定されないことを説明し、調査票への記入をもって調査に同意が得られたとした。3調査結果3.1対象者の属性(表1)対象者339名のうち男性が258名(76.1%)、女性が81名(23.9%)であり、学年別では1年生が153名(45.1%)と最も多く、次に2年生が115名(33.9%)であった。「1週間のうちの清涼飲料水摂取日数はどれくらいですか」という質問に対し、「0日」と回答した学生は47名、「1または2日」は116名、「3または4日」は73名と合わせて236名で、つまり「あまり摂取しない」は全体の69.6%であった。「5日以上」と回答した学生、つまり「よく摂取する」は103名(30.4%)であった。3.2清涼飲料水摂取状況と生活習慣等の関係(表2)大学内外の部活動(サークルを含む)を行っている学生は、全体では114名(38.2%)であり、そのうち100名が運動部に入っていた。「よく摂取する」の中で部活動をしている学生は46名(40.4%)で、入っていない学生は56名(25.3%)であり、清涼飲料水の摂取と部活動の有無とは関係があった。BMI(BodyMassIndex:体格指数)は、全体では「やせ」が27名(8.0%)、「普通」が266名(78.5%)、「肥満」が46名(13.6%)であった。清涼飲料水摂取とBMIとは関係はなかった。次に生活習慣との関係をみると、1週間のうち朝食時に清涼飲料水を摂取する日数が「5日以上」と回答した学生は、全体では60名(17.7%)であり、そのうち「よく摂取する」が56名(93.3%)であった。「よく摂取する」方が「あまり摂取しない」に比べて、朝食時における清涼飲料水摂取の日数が多かった。1週間の朝食摂取日数は、「5日以上」と回答した学生は、全体では218名(64.3%)で、そのうち「よく摂取する」ものは75名(34.4%)で「あまり摂取しない」に比べると朝食摂取日数が多くなるほど清涼飲料水を摂取していた。大学生になってからの清涼飲料水摂取量が「減った」「変わらない」「増えた」を質問したところ、「よく摂取する」は「あまり摂取しない」に比べて「増えた」と回答していた。中部大学教育研究No.20(2020)―116―表1対象者の属性

元のページ  ../index.html#132

このブックを見る