中部大学教育研究20
126/168

てしまっているのかもしれないととても考えさせられ、これからの自身の行動が変わると感じました。・私はこのエピソードにハッとさせられた。実際アフリカ系の人たちに電車で会ったことはないが、想像してみたら無意識にも避けてしまうかもしれないと思った。これは私の中にある、紛れもない差別の気持ちだと気づいた。私は自分の中にある偏見や差別の気持ちに今気づけたことも、本当によかったと感じている。・これまで、自分は差別や偏見をしない、していないと思っていました。でも、この講義を受けて少なくとも偏見は持つことがあったとわかりました。外国人を珍しそうな目で見てしまうことって結構あるけど、じっさいに自分がその立場だったら、ものすごく居心地が悪いと思うし、嫌だと思います。相手の立場に立って考えてみる、ということも学べました。・差別というものは日本ではあまり関係のないことだと思っていた。いざ考えてみるとコロナでの差別や在日外国人への差別なども見えてきた。学んだことから関心を持って自分で調べ、今現実で起きている事に目を向けることは大切だと学んだ。私ひとりの問題に向き合う力は小さいが、関心を持つ人が増えることで何らかの効果があることを期待している。・異なる背景の人と実際に接してみることで、自分がどれだけ狭い経験でそのイメージに当てはめていたのかを知り、違いは発見なのだから自分のステレオタイプに基づいて価値判断をしないことが重要だと理解しました。4)感情のレベルでの学び・知識が増えた状態で見た張素ちゃんのビデオにはとても感動させられました。張素ちゃんはとても幼いときに異国の地に行き、言葉も通じない小学校にも通っていました。そして、必死にコミュニケーションをとろうとする姿とその行動力には、感無量でした。・あんなに小さい子が異国の地でたくさん考えて、考えて強く生きて行く姿にはとても感動させられました。彼女の行動力や忍耐力は自分が留学した時に参考にしたいと思うものがたくさんあって、彼女の強さを見習いたいと思いました。・私も中学生時代に同じクラスの留学生がいましたが、そんなにも苦労しているとは思いませんでした。もっと助けてあげられたのにと後悔しました。ただ、遠隔授業は対面学習に匹敵するほどの効果をあげることができるとは思えない。その場の空気感、学び合う仲間の温かさ、笑い、意見交換、加えて疑似体験学習などは、異文化コミュニケーションの授業では欠かせない。紙面やバーチャル空間でのコミュニケーションもコミュニケーションには変わりないが、その媒体の一部でしかない。コミュニケーションとは基本的には対面であり、異文化間でのコミュニケーション問題が起こる場面も、対面であることが多い。これを実感しながら学ぶには対面授業が最適である。しかし、今回のこの遠隔授業の経験は、その可能性と利点と課題を浮き彫りにしてくれたことは間違いない。今後、さらに洗練されれば、対面学習と混合させ日常的な授業にも取り組むことも可能かと思われる。大変な思いをさせられたコロナ禍の遠隔授業であったが、学ぶことも多く、将来的には「いい経験であった」と言えることを願って止まない。注1)英語英米文化学科では数年前から、連絡用に最初の学科オリエンテーションで当該学年のLINEグループを作成し、頻繁に学科の連絡用に使用している。この参加者と当該の授業の履修者がほぼ一致するため、このグループが全体的な授業のフィードバックや情報提供の徹底に役立っている。2)2つの特定の授業では、エッセイと英語での音声ファイルの課題があったため、200人程度の学習者に対して、300件のフィードバックを返す必要があった。参考文献Ausubel,D.(1968).EducationalPsychology:ACognitiveView.NewYork:Holt,Rinehart&Winston.Deci,E.&Ryan,R.(1985).IntrinsicMotivationandSelf-DeterminationinHumanBehavior.NewYork&London:PlenumPress.Lalley,J.,&Miller,R.(2007).Thelearningpyramid:Doesitpointteachersintherightdirection.Education,128(1),64-79.塩澤正(2016)「今、なぜ国際英語論の視点が必要か」塩澤正・吉川寛・倉橋洋子・小宮富子・下内充(編)『「国際英語論」で変わる日本の英語教育』くろしお出版.原島秀人・ジェンキンズ・アダム(2020)「世界標準のオンラインプラットフォームMoodleを英語授業に活用する」『英語教育別冊』69(8),82-83.宮崎耕(2003)「オンデマンド型インターネット授業の概要と課題」(http://www.juce.jp/LINK/journal/0302/03_02.html)2020年9月18日閲覧文部科学省(2001)大学設置基準第二十五条第二項の中部大学教育研究No.20(2020)―112―

元のページ  ../index.html#126

このブックを見る