中部大学教育研究20
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事であることを心がけた。以下のスライド(図2)は、非言語コミュニケーションに関するものだが、左の写真は英語英米文化学科の教員と先輩たちがピースサインをしている。その右の写真の中でのハグシーンは1年生らがこれから留学する可能性の高いオハイオ大学での歓迎会からのものである。服装も非言語コミュニケーションではメッセージを持つ重要な媒体だが、これも本学の入学式後の教員と学生の服装とオハイオ大学での歓迎会の服装を事例として示している。このように自分と関連する現実の世界を例に挙げ、学習者自身にとって関連があり、見ること、学ぶことに意味があることを心がけた。学習者からの以下のようなコメントからも、このような身近な例や画像が学習を助けたことがうかがえる。・写真にいま流行りのものが多く使われていて、わかりやすく、授業を受けていてとても楽しかったです。この先もしもオンラインの授業が続いても安心して授業を受けることができると思いました。・どれも自分が体験することだらけだと思います。私は来年の長期留学に参加したいと考えているので、そのためにはこの授業のことをしっかりと覚えておきたいと思います。・先輩方の体験記が面白かったり今までいろんなものに対して持っていた偏見自体に対しても考え方が変わったりしました。・例文やわかりやすいたとえがあり、先生が解説を付けてくださったことで、対面授業により近い授業を受けることができ、深く学べたことがたくさんありました。・初のオンライン授業ということで大変だったと思いますが、毎回丁寧なスライドを作っていただき、音声も入れていただき、ありがとうございました。毎回ノートをとってしまうほど、楽しい授業でした。4.4優れた外部リソースを活用授業用スライドは全て自前の教材を準備するのが理想だが、今回のような緊急事態には、そのような時間的余裕はなかった。加えて、教員1人のアイディアや能力でできることは限られている。しかし、ネット上にある優れた動画や画像はこのような問題を瞬時に解決してくれる。これらの外部の優れた教材にリンクを張ることによって、授業がよく練り上げられたテレビドキュメンタリーと同じような効果をうみ出してくれることもある。じっさい、これらのビデオ教材を観て感動し、考え方や生き方が変わりましたなどと発言するような学習者も現れた。以下のスライド(図3)はステレオタイプについてのものだが、筆者が解説するより上手に様々な動画を使って説明してあるYouTubeのビデオクリップへのリンクを張り、さらなる理解を促した。以下は、学習者からの外部リソースに関するコメントである。動画のみならず、筆者がクラウド(Dropbox)に格納しておいた写真や文書もリンクを張ることによって更なる発展学習が容易になり、非常に有効であった。・参考資料のビデオも授業理解にとても役立った。・特に好きだった授業は張素の動画を見て感想を書いた授業です。私は中国に対してあまり印象が良くなくかかわりを持つことに抵抗がありました。そんな偏見を持っていたのだが、あの授業で180度考え方は変わりました。・加えて、参考資料参考動画が多くあり、私が普段触れないものに触れることができ、面白かったですし、知識が深まったと思いました。この講義は私にとって世界が広がるきっかけになった面白い講義でした。・PowerPointを見て、ビデオを見て、レポートを書くとなると90分じゃ全く足りなかったです。でも、時間を忘れてレポートを書けるくらいこの授業は面白かったです。私はいろんな科目のなかでこの授業が1番好きで楽しいと感じます。・張素ちゃんの動画を見て色々なことを学べました。行動力や観察力や努力など自分より年下の子がやっていて余計心にしみました。自分の今まで足りない部分が再確認出来たのでとてもよかったです。張素オンデマンド型遠隔授業の活性化―105―図2有意味学習の例図3外部リソースの利用

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