中部大学教育研究20
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できたことで、乳児の月齢による発達段階の違いや関わり方についても学ぶことができていた。さらに、複数回スタッフとして参加した学生は、前回参加時からの乳児の成長を実感する気づきも得られていた。上記から3学科の学生は各々の専門的視点からの気づきがあり、本セミナーにおける3学科協同は貴重な教育の場となったと考える。5今後の展望2020年度は子育てセミナー開始から10周年となる節目の年であったが、新型コロナウイルス感染症の問題から、すべてのエクステンションセンター公開講座が中止となった。「今年は開催しないのですか」といったお問い合わせもいただき、大変残念であった。しかし、保健所や出産施設が主催している子育てサロンや各種教室も閉鎖が続き、母子の自粛生活も長期化している現在、母親の「孤」育てはますます深刻化している。そのような中、オンラインを活用したWebセミナーも開催されている。対面での直接的なコミュニケーションやケアが最善ではあるが、そのときの状況や時勢に合わせた子育て支援のあり方を探求したいと考えた。そこで、母性看護学臨地実習施設でもある春日井市民病院にオンライン版子育てセミナーの共同企画を提案し、2020年11月に2回開催することになった。地域連携の強化としても、この機会を活かしたい。また、2019年度の学生スタッフの事前指導で改善の余地があった日程調整も、オンラインを活用することで解決できる可能性がある。学生・教員共に過重負担とならずに、共育共学につながる子育てセミナーを今後も継続できるよう、創意工夫で乗り越えていきたい。謝辞本セミナーにご参加いただき、学生・教員もHappyにしてくださったお母さま方、赤ちゃんたちに、心から御礼申し上げ、御多幸と健やかなご成長を祈念します。本セミナーを開催するにあたり、広報にご協力いただきました春日井市子ども政策課および本学のエクステンションセンターの皆様に深謝いたします。引用文献1)厚生労働省(2018)「妊産婦にかかる保健医療の現状と関連施策」2020年7月13日アクセスhttps://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000479245.pdf2)横手直美、山下恵、岡倉実咲(2015)中部大学における子育てセミナー「ベビービクスと子育てミニレッスン」の開催報告と今後の展望,中部大学教育研究,No.15,29-333)山下恵、岡倉実咲、橋本妙子、横手直美(2018)大学で開催する子育てセミナースタッフとしての経験が看護学生に及ぼす教育効果,中部大学教育研究,No.18,53-574)総務省(2019)「平成30年中の救急出動件数等(速報値)」の公表,報道資料2020年6月30日アクセスhttps://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/items/190619_kyuuki_1.pdf中部大学教育研究No.20(2020)―98―

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