中部大学教育研究20
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第4回の「赤ちゃんのもしものときの備え」では、スポーツ保健医療学科の北辻助教から乳幼児の救急隊要請時の注意点や誤飲時の対応についてデモンストレーションを交えて説明した(写真4)。LE学生がアシスタントとして母親をサポートし、母親全員が乳児のシミュレーション人形を用いて、異物の吐き出させ方と乳児の心肺蘇生法を演習することができた。3.4セミナー参加時の学生の様子セミナー時、学生は会場設営や受付係、体調確認係、駐車場誘導係などの役割分担をし、運営に携わりながら、実際の乳児と母親の様子や、母親同士のやりとりを観察できた(写真5、6)。はじめは乳児や母親とどのようにコミュニケーションをとるとよいか戸惑う学生もいたが、自らも乳児の体重・体温測定をしたり、子育てミニレッスンで母親の実践の補助をしたり、乳児の世話を体験することで少しずつ慣れていった。泣いていた乳児が、学生があやしたり抱っこしたりすることで泣き止んだり、笑顔を見せてくれたりすると、緊張が緩んだようで学生にも笑顔が増えていた。母親とのコミュニケーションについても、「お子さん、可愛いですね」「〇〇ちゃん、こんにちは」といった乳児を介して話しかけることで、会話のきっかけをつかみ、積極的に母親の育児に対する思いを聞く学生もいた。3.5セミナー後の振り返り~ショート・ミーティングでの学びの共有セミナー終了後は後片付けを行った後、毎回、振り返りのためにショート・ミーティングをその場で行った。学生の一番多い感想は、「赤ちゃんが可愛かった」であった。そのような素直な感想もあれば、乳児の成長発達や母子間の相互作用、母親同士の関わりを目の前で観察できたことでの気づきを発表する学生や、講義や臨地実習での学びを自己の観察を通して再認識する学生も多かった。3.6大学祭での合同活動報告会全4回のセミナー終了後、各学科の学生ごとに本活動を通しての学びをまとめ、大学祭で発表する機会を設けた。この報告会でも、学科により学びと気づきの相違点が明らかになった。発表会には、事前に案内状を出して招待したセミナーの「卒業生」母児が父親や友人親子とともに多数参加され、同窓会のようなあたたかい雰囲気の中、活動報告を行った(写真7)。感想を求められてマイクを向けられた父親は照れながらも、「こんな楽しそうにやってたんですね」などと答えてくださり、ご夫婦での会中部大学教育研究No.20(2020)―96―写真3「赤ちゃんの発育発達とおもちゃ」写真4「赤ちゃんのもしものときの備え」写真5非接触型体温計による体温測定の様子写真6受付の様子

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