中部大学教育研究19
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1はじめに最近、17色のカラフルなロゴ(図1)を見かける機会が多くなった。これは2015年の国連サミットにおいて採択された「持続可能な開発目標」(SustainableDevelopmentGoals:SDGs:エスディージーズ)を進展させていくためのロゴで、多くの企業や団体がSDGsの趣旨に賛同していることを示している。中部大学は国際ESD・SDGsセンターを設立し、中部大学春日丘高等学校は文部科学省よりスーパーグローバルハイスクールの指定を受け、「持続可能な開発のための教育」(EducationforSustainableDevelopment:ESD)を通じて、SDGsに積極的に取り組んでいる。私はJICA青年海外協力隊の看護師として、開発途上国の保健ポストで、現地の看護師と共に働いた。この経験から、今春、私は保健看護学科1年生が受講する「看護学概論」の研究授業として「国際看護」の単元を担当する機会を得た。その際、受講生に実施したアンケートでSDGsについて「知っている」は88名中1名のみであり、これは、一般企業が2018年9月に高校生に行った調査:SDGs認知度18%を大きく下回る結果であった。積極的にESD・SDGsに取り組む中部大学の一員として、また、青年海外協力隊経験者として、今後どのようにSDGsを教育の中に導入するかを考えてみた。2持続可能な開発目標:SDGsとはSDGsは、2000年の国連サミットで2015年を達成期限として採択された「ミレニアム開発目標」(MillenniumDevelopmentGoals:MDGs:エムディージーズ)に代わる目標として定められた。MDGsでは極度の貧困と飢餓の撲滅、子どもと妊産婦の死亡率の削減、教育とジェンダー問題の改善、感染症の撲滅など、主に開発途上国が抱える課題が挙げられていた。MDGsは一定の成果を達成したものの未達成の課題も残り、また、課題解決に向けての取り組みに地域格差などがあったことが指摘された。そのためSDGsでは、―57―「国際看護」とSDGs木村裕美子**看護実習センター助教図1SDGsのロゴ

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