中部大学教育研究19
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様子であった。消防服や酸素ボンベ等で約45㎏、それに加えて35㎏のはしごを一人で持って救助活動にあたるとのことで、それらに耐えうる体力を維持するため、日々トレーニングを欠かせないと話されていた。消防署内の見学をしながら、消防官は上下関係が厳しいがそれはお互いの生命、安全を守るためであること、一方で、食事時などは上下関係を問わずリラックスして話し合い、任務上のストレスを和らげるなど家族のような一面もあるとのお話を伺った。どの消防職員も終始フレンドリーで、学生の質問にも丁寧に答えてくださったのが印象的であった。2.6リバーサイド・コミュニティ・カレッジパラメディック養成・研修施設であるリバーサイド・コミュニティ・カレッジでは、3グループに分かれ実技研修を行った。1つ目は気管挿管、2つ目は静脈路確保および骨髄穿刺、3つ目は心肺蘇生であった。日本では救急救命士が骨髄穿刺を行うことはできないが、米国では肥満者など静脈路確保が困難な場合に、パラメディックが骨髄穿刺による輸液を行うとのことだった。学内実習未経験の1・2年生にとっては難しい部分もあったようだが、現地インストラクター・通訳・本学科3年生のサポートにより最後までやり通すことができ、達成感を得られた様子であった。2.7カリフォルニア州立大学フラートン校アスレチックトレーナー養成プログラムの講義および実習を体験した。最初にアスレチックトレーナー(AT)の役割、責務、雇用機会、教育要件、カリキュラム等について講義を受けた。フラートン校では大学院修士課程においてAT養成を行っており、講義と臨床実習が同時並行で実施されている。臨床実習では医療機関だけでなく、高校や大学の競技スポーツチームへの同行もある。実習ではファンクショナル・ムーブメント・スクリーニング(FMS)の体験を行った。FMSは身体の可動域を知るためのスクリーニング方法の一つである。ATは競技シーズン前後で選手にFMSを実施し、問題点が見つかれば早期に対処し、悪化予防につなげているとのことであった。講師より「ATは応急処置を行う場面も多々あり、そのための知識や技術の習得が欠かせない」との話があり、学生からは「運動指導と救急救命は深く繋がっていることがわかった」との感想が聞かれた。スポーツ保健医療学科第二回海外短期研修を終えて―51―写真5はしごを担ぐ体験写真6新型消防車にて記念撮影写真7骨髄穿刺の実習写真8FMSについての講義

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