中部大学教育研究19
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利用者役は学生、介護者役はCAAC受講生である。利用者の着替え、靴の履かせ、車いすに移乗という一連の生活介助をお互い見守りながら学んでいた。看護や医療を学んでいる学生は、CAAC受講生だけでなく、他学部の学生にもアドバイスをし、学生間の交流がみられた。事例に対して、効果的な援助を行うにはどのようにしたらよいかグループで話し合っているところである。CAAC受講生も学生も、初めてのことなので、どのように事例をとらえて、どのように実施するか、プランを立てることはかなり難しかったようである。一方で「個々の考えや知識、経験度が違うので、話し合うのも楽しかった」と感想を述べていた。写真5は、CAAC受講生と学生が一緒になって考えた献立である。CAAC受講生の料理の経験と応用生物学部の学生の専門知識が取り入れられている。基本的な生活介助技術試験である。CAAC受講生は、何回も自主練習を行い試験に臨んでいた。この様子をみて、高齢者が物事に真剣に取り組む姿勢を学生は強く感じていた。講座修了後のグループワークでは、受講生はそれぞれの実習の体験を話し、その内容について話し合い、さらにS事業所の担当者の方からコメントをいただき、講座全体のまとめを行った。5アンケート調査結果修了後、受講生にアンケート調査を行った。「講座の内容で関心をもったことは何か」という質問に対して、CAAC受講生と学生が共に関心が高かったものは「介護の役割」、次に「自立支援」「介護サービス」「生活支援」であった。(図1)「CAAC受講生と学生はお互い交流ができたと思うか」の質問に対しては、両者とも「できた」と回答し中部大学教育研究No.19(2019)―44―写真3着替えの介助写真4介護プランの立案写真6実技試験の様子写真7講座修了後のグループワーク写真5糖尿病の食事の一例

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