中部大学教育研究19
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に立ったか②インターンシップでは、教師が行う仕事や学校の設備・備品など特別支援学校に関する基本的な知識が学べたか③インターンシップと教育実習に違いはあったか。④今後、後輩がインターンシップを行うにあたり、必要と考えること他、感じていること3.3.2結果①教育実習を行う上で、インターンシップの経験は役に立ったか3名が同様に語ったのは、インターンシップと教育実習で異なる学校種、学部、教育課程での体験ができることであった。「教育課程が違うので活動はそのまま使うことはできなかったが、様々な子どもや教育課程に触れることができた(A)」「小学部と中学部の違いがわかった(A)」「他の学校を知ることができなかったことは残念(A)」「同じ校種(肢体)だったが、実態の違う子どもを担当することができた(B)」「今まで知的の学校しか知らなかったが、肢体の学校や子どもも経験できた(C)」とのことである。一方、両方とも同じ学校になった場合にも、「(実習では)インターンシップ先の先生が気にかけてくれた(A)」という良さがあることも語られている。また、「慣れていたのでよく知っている先生がいた。施設のこともわかって利用できた(A)」「教育実習では『今までやったことあるの?』と聞かれ、インターンシップでの経験や、教育課程について答えることができた(B)」「特別支援学校の雰囲気を知っていたため安心感があった(B)」「どんなことを支援すればよいかを経験していた(C)」「時には生徒自身の成長のために手伝わないことも必要ということを知っていた(C)」というように、3名とも実習前の特別支援学校での経験が役立ったと語っている。②インターンシップでは、教師が行う仕事や学校の設備・備品など特別支援学校に関する基本的な知識が学べたか3名とも「肢体のみといっても実態は様々なのでまだこれからだと思った(A)」「設備は学べたけど、備品はインターンシップで目にしたものだけ(B)」「教育実習ほど詳しく学べてはいない(B)」「教育実習は授業をすることもありたくさん詳しく教えてもらえた(B)」「そこまでわからなかった(C)」というように、この点に関してはあまり学べなかったという印象である。これらの点について具体的に学んだことや感想として挙げられたのは、Aは、「プール、浮き輪や教材の多さがわかった。自立活動の時間に入れたのが理解につながった」「ティーム・ティーチングの難しさ、大切さ」「複式学級」「生徒の情報共有」「ゆっくりと進む授業。ひとつひとつを丁寧に扱う」「子どもたちの実態を把握すること」、またBは、「教育実習に使える教材を探した」「教材の種類をたくさん教えてもらった」「通常のクラスだったこともあり聞けば教えてくれた」、Cは、「時には支援しないこと」「手を出しすぎないこと」を挙げた。③インターンシップと教育実習に違いはあったかひとつには、「主担当をするかしないか(A)」「授業を進めるという点(A)」「子どもの一人一人を見るだけでなく全体も見る必要がある(A)」「ティーム・ティーチングで副担当の先生方への依頼が難しい(A)」「実習は指導案の準備の時間にあてることもある。子どもとずっと一緒にいるわけではない(B)」というように、実習では授業の主担当をすることに関連する事柄があげられた。このことに関連して「実習の方が大変だった(B)」「実習の方が先生として見てくれた(C)」という違いもあるようである。また、「インターンシップが週に1回という形態に対し、実習は2週間継続(B)」して行うことによる違いもあるようであり、例えば「継続しているから話が分かる。インターンシップでは1週間の間のことがわからなくて疎外感があった(C)」とのことである。また、「学校、学校種によって規模や雰囲気、教室環境が異なる(B)(C)」「先生のタイプによって対応が違う部分がある(A)」という意見も聞かれた。④今後、後輩がインターンシップを行うにあたり、必要と考えること他、感じていること3名ともインターンシップは行った方が良い、有効と答えており、具体的には次のように後輩へのメッセージや感想を述べている。Aさん:「先生達と親しくなることは大切」「保護者とのかかわりももててよかった」Bさん:「あいさつはしっかりやるとよい」「学校が変わっても先生同士よく知ってるし通じている」「子どもとたくさん関わるとよいが、支援しすぎるのはダメ」「分からなかったら尋ねるとよい」「本人に聞くのもよい」「楽しむことが大事」Cさん:「1週間の間のことを先生に聞くとよい」「先生に相談しながら子どもと関わる」「やりすぎてしまうので、聞いてからやる」「一緒に行った人と情報交換できたし、インターンは固定でないので部を超えて見ると良い」4まとめと今後の課題「インターンシップ活動報告書」、学生へのインタビュー調査、インターン校へのアンケート調査すべて中部大学教育研究No.19(2019)―30―

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