中部大学教育研究19
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【初めての経験】3名(5)・知的障害を持つ子どもたちと関わるのは初めて。特別支援学校での活動に戸惑っていた・今までみたことのない特別支援学校の授業の様子を見た3.2インターン校へのアンケート調査から3.2.1方法2017年度より3年間、毎年複数名の学生の受け入れをしてくれた特別支援学校3校に対しアンケート調査を行った。実施時期:2019年6月~7月対象:インターンシップを担当した教諭等方法:以下の項目を記した質問紙をインターン校に郵送し、回答後郵送にて返送してもらい回収した。調査内容:①教職インターンシップを行う意義の有無とその理由、学生の変化教職インターンシップを行う意義について、「意義がある、まあまあ意義がある、あまり意義がない、意義がない」の4件法による回答と、その理由を記述式で尋ねた。また、「意義がある、まあまあ意義がある」の回答に対して、実施したことよる学生の変化について記述を求めた。②大学の指導に対する意見・要望今後、大学においてさらに指導が必要な内容について記述を求めた。③その他その他実施に対する意見・要望について記述を求めた。3.2.2結果7名(小学部3名、中学部1名、研修部2名、教頭1名)から回答が得られた。①インターンシップの意義の有無とその理由、学生の変化意義の有無「まあ意義がある」が6名、「あまり意義がない」が1名であった。その理由「現場を体験するという意味ではそれなりの意義がある」「実際の学校現場を体験することで、教職に対する理解が深まり、職業選択をする上でインターンの経験が生かされると思う」「実際に現場でどのような仕事をしているのか少しでも体験できると良い。対応の難しい生徒がいるということを体験できてよい」というように「現場を体験する」ということに意義が認められているのに対し、「体験するだけならばボランティアでいい。目的が明確でないように感じた」という意見もあった。また、「実習生でもボランティアでもない学生さんに何をどこまで求めて指導しなくはいけないのかがよくわからない」という意見もみられた。学生の変化「積極的に子どもたちに関わる姿が見られるようになってきた」「毎週同じ学級に入るので、子ども達との関係性が近くなっていったように感じる」「児童への関わり方がよくなったと思う。自ら積極的に関わろうとする姿が増えた」「不適応行動がある生徒はどのような気持ちでこのような行動をしているのかという内容を一緒に考えたところ、関わり方がとても良くなった」というように、学生の児童生徒へのかかわりが積極的になっていき、かかわり方が良くなっていくという変化が認められている。また、「インターンシップを経験した学生は、教育実習の時に比較的スムーズに実習に入れるように感じる」という印象も述べられている。②大学の指導に対する意見・要望服装やあいさつ、子どもに対する接し方など、学生の態度についてさらに大学での指導を求める指摘があった。また「どう子ども達と向き合うのか、将来どう障害をもった人とかかわるか考え学ぶ必要がある」との意見があった。③その他依頼手続きのスケジュールについて改善を求める指摘の他、「学生さんに何をやらせてあげれば良いのかよくわからず『お手伝いのお兄さん』的な存在になっていた。本人がどういう意志で来て、何を学んでいったのかもいまいち分からない感じがしたので、目的や内容をしっかり相互理解できると、より良くなるのではないか」「学生が感じたこと、疑問に思ったことは少しでも良いので記録に残し、担当職員が見て把握できた方が良い」との意見がみられた。また、「少しでも多くの学生さんに特別支援学校教員に魅力を感じてもらいたい」との記述があった。3.3学生への聴き取り調査から3.3.1方法実施期間:2019年7月から8月対象:2018年に特別支援学校教職インターンシップを、2019年6月に特別支援学校教育実習を実施した学生3名(Aさん、Bさん、Cさん)。方法:以下の調査内容について問いかけ、半構造化面接の中で、自由に語ってもらった。調査内容:①教育実習を行う上で、インターンシップの経験は役特別支援学校教員養成における「特別支援学校教職インターンシップ」の実施報告と今後の課題―29―

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