中部大学教育研究19
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する記述が得られた。すべての記述を内容の類似性により分類・整理したところ、5つのカテゴリー【特別支援学校特有の内容・雰囲気をつかむ】【障害のある児童生徒への理解と指導の方法を学ぶ】【特別支援学校の教師の仕事を知る】【障害や特別支援に関する学習意欲向上】【初めての経験】と、それぞれ1つから6つのサブカテゴリーが作成された。以下に、各カテゴリー【】におけるサブカテゴリー[]と、代表的な記述及び記述した人数(記述数)を示す。【特別支援学校特有の内容・雰囲気をつかむ】17名[教育課程や一日の流れの特色]9名(11)・毎朝車椅子を押して児童を迎え挨拶をすることから始まる・同じ肢体不自由児の特別支援学校の中でも商業科、普通科、また普通科でも通常の学級と重複障害学級とでは、登校から下校までの流れや授業の様子、教室の環境などが異なっており、それぞれの学級に属している児童生徒にあわせた教育環境が整えられている[留意すべき点の確認]5名(5)・いかなる時も児童から目を離さない。常に全体を見、児童がどこにいるのか何をしているのかを把握しておくことが必要・情報を細かく共有し小さな変化にも細心の注意を払っていた[自立という観点]5名(5)・全て介助してしまうのではなく自立支援をし、少しの介助でできるようにすることが大切・子どもに合わせて子どもたちが自分でできることは自分でできるようにしている[児童・生徒の姿]4名(5)・素直な生徒ばかりで礼節を重んじている姿に驚いた・辛い毎日を送っているのではないかと思ったが毎日楽しそうに過ごしていた[授業、指導方法などの特色]3名(4)・タンブリンや音楽を取り入れることで楽しく学べる・動物と触れ合うなどの非日常的な体験も、子どもに知識や社会性を身につけさせるための手段となっていた【障害のある児童・生徒への理解と指導の方法を学ぶ】19名[児童生徒理解]5名(5)・回数を重ねるごとにその子にあった支援を行うことができた・一人一人と真摯にかかわることで、障害により言葉がなくても何を思っているのか、何を考えているのかわかるようになる[児童生徒の個別性]5名(7)・生徒によって持っている知識や技能、考え方や表現の仕方、行動への移し方など大きく異なるため実態を把握し、理解した上でそれに応じた指導をする必要がある・作業内容や作業スピード、集中力はバラバラで一人一人に合わせた支援が大切であると改めて感じた[児童生徒との関係]4名(5)・支援をするときなどには、児童に一言声をかけてからということが、児童との信頼を築く上でとても大切・信頼関係の確立が必須[児童生徒の自発性の大切さ]4名(5)・手を貸すべき場合と児童生徒自らの力で行うべきことの線引きの難しさ・困っていることがあればすぐ支援したり助けたりすることがその子に対しての優しさではないこと[その他新たな視点への気づき]4名(5)・作業や手順にそって進める困難さに対し、ゆっくり見守る姿勢・問題解決にあまり積極的ではない子に対して遊びを取り入れた支援をすることの重要性[児童生徒とのコミュニケーション・指示]4名(4)・非言語コミュニケーションを用いて接する・子どもの視界に入り、やるべきことを描いて指示をすると通りやすいなど様々な関わり方【特別支援学校の教師の仕事を知る】8名[教師間の連携の重要性]4名(4)・教師間の連携の重要性[家庭保護者との連携の強さ]3名(3)・迎えに行く際に保護者と話をすることで、関係を築き、児童の情報交換が円滑に行える[授業の工夫]3名(3)・視覚的支援をはじめとして、苦手分野を練習させたり、意欲的に物事に取り組めるようにしたりするため、先生が子どもにあった支援物を作成されている【障害や特別支援に関する学習意欲の向上】5名[改めて考える機会]3名(3)・肢体不自由児の教育について改めて考える機会になった[興味関心の高まり]2名(3)・一人一人にじっくり向き合える指導にふれあこがれを感じた[知識不足]2名(2)・特別支援教育に関する知識不足を感じた中部大学教育研究No.19(2019)―28―

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