中部大学教育研究19
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ことができる。⑤「ShoppingRolePlay」(Part1)教材例5もアレンが2年次クラスで実践した“ShoppingRolePlay”というタスク例である。テキストのユニットが物品の名称や特徴の説明であることから、テキストで例示されている物品に加えて物品情報を作成してアクティビティをさらに増やすadditionの例である。さらには、アクティビティ内容にロールプレイを加え、買い物客と店員の間でのコミュニケーションをさせるというextesionの例にもなっている。さらには、買い物客が値引き交渉をするといった応用をさせるなどコミュニケーションをより現実的にすることもできる。⑥「ShoppingRoleplay」Part2これは教材例5の発展形である。まず教師は導入となるダイアログ例文をオリジナルで用意し、適切な語を口頭で入れる練習をさせ、買物での対話のウォームアップとする。次に教室(192B演習室)内の壁面にある4つのホワイトボードを使って「売り場」をわけ、「商品」とするものの写真を貼る。学生には店舗の案内役、各売り場の店員、客といったロールプレイをさせ、目当ての商品をみつけるまでのコミュニケーションをさせていく。(写真5参照)ここでは客側から店員に質問をするなど、商品説明だけではなく質疑応答も含めた応用も期待できる。f.指導上の注意点:Teachthis.comのよう外部教材サイトのものを選ぶ場合も、素材を外部から集めて教師がextesion的タスク教材を作成する場合も、学生のその時のレベルに合ったものを用意することが効果的である。臨場感のあるシーンを想定し、実物に近い素材を使うことで、コミュニケーションの進め方や英語表現に関心も広げていきやすくなる。自信がついてきていることを復習しながら、新たな要素を加えていき、少し上の力の習得を目指せるようにして挑戦させていくと「簡単すぎてつまらない」ことにもならない。コミュニケーションに焦点を当てたアクティビティの実践に素手で挑ませてしまうと、かえって自信を失ってしまうことにもなりかねない。学んだことを使ってみることで、「不安定な部分は補強する」「自信がある部分は積極的に使う」等を教師は常によく観察しながら適宜助言をし、クラス全体に共通する学習ポイントは、最後に振り返りの時間を設けることが重要である。授業でのアクティビティは気楽な「遊び」ではない。楽しい要素はもちろん授業を「活性化」させてくれるかもしれないが、それが表面的な「戯れ」時間になってしまっては授業の質は維持できない。対面授業では、コミュニケーションアクティビティが、学習すべき文法などの学習ターゲットを忘れて「適当に話す」場になってしまうのを防いだり、「知っているカタコトで済ませようとごまかす」ことを避けさせたりという点に教師は注意を払い、コミュニケーションアクティビティを「なんとなく楽しかった」ではなく、「楽しく学べた」ものにし、英語力を高めさせていく必要がある。そのためにはアクティビティやタスクにおける学びの広がりを教師がしっかりと観察し、英語力の定着に結びつけさせていくことが要である。外国語としての英語力定着に向けた教材の適用化とインストラクショナルデザイン―19―教材例4ClassAGoestoWashington教材例5ShoppingRolePlay(Part1)写真5ShoppingRolePlay

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