中部大学教育研究19
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ることで、ペアの1人ずつがある人のことを尋ねたり、それにレスポンスしたりといった練習を行うことができる。②「BoardGame」(すごろく)教材例2も、小栗が1年次クラスで実践した例である。頻度を表す副詞を身につけるアクティビティでは、教材例2にあるように、すごろくになっているアクティビティを3-4人のグループでさせることがある。発話頻度を増すためには人数を減らしてペアで行うこともできるが、人数が少ない方が盛り上がりも少ない。自分が好きな、言いやすいことだけを選んでいく発話練習と異なり、すごろくではコマが到達した場所の指示に従わなくてはならないため、場面をランダムに与えられるという負荷がかかる。Teachthiscomという英語教師用教材サイトは、ダウンロードして活用できるアクティビティが集められており、無料で閲覧・活用できるものと、年会費を払ってアクセスできるものが提供されている。教材は、スキル別、シチュエーション別などに分類されており、教師向け解説・注意事項も用意されているため活用しやすい。③「InformationGap」(インフォメーションギャップ)教材例3も小栗が1年次クラスで実践しているもので、基礎練習に適したインフォメーションギャップの例である。基本事項を学んだ後、たとえばこの例では現在時制でルーチンを表すことに加えて、曜日や時間に伴う前置詞を適切に選んで使うというねらいがある。基礎的な文法ルールなどを学んだ後、そこで終わってしまえばルールを知識として覚えることがゴールのようになってしまう。しかし、すぐにこのようなアクティビティを行うと、学んだことを実際に使ってみる、自分に身につきつつあることと、そうではないことに気づくというプロセスを与えることができる。④「ClassAGoestoWashington」(クラスAのワシントン観光)教材例4は、アレンが2年次クラスで実践した例である。これは“ClassAGoestoWashington”と名付けたタスクで、テキストで基礎を学んだのちのextensionの例である。実際のワシントンの地図を渡された学生は、名所のロケーションを説明したり、そこまでの道案内をしたりしながら観光プランを作る。最初の段階ではペアで学習し、次にペアを合体させてグループで観光プランを発表し合ってコミュニケーションをする。この中で使われるべき情報もあらかじめ教師が用意しておき、適宜学生に提示をしたり配布したりして、学習ターゲットを使いながら語彙や文法を習得していくプロセスを与える中部大学教育研究No.19(2019)―18―写真41年次コミュニケーションアクティビティ例教材例3TeachThisCom教材例2教材例2TeachThisCom教材例1(https://www.teach-this.com)

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