中部大学教育研究19
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図1、図2に示すように、フレッシュマンテストおよび実力テストの平均点はそれぞれ56.8点と59.5点であり、その差は2.7点と2011(平成23)年度以降で最大である。両テストの結果の差についてwilcoxonの符号付き順位和検定を用いて分析したところ、.05の水準で優位であった(ただし効果量は少)。これまで両テストの比較で優位な差が得られたことはなかったので、喜ばしい結果と言えるであろう。次に、到達度確認テストおよび語彙テストの結果が、フレッシュマンテストおよび実力テストの結果とどれだけ相関しているのかを、Spearmanの順位相関係数で見てみよう。いずれの問題の結果もフレッシュマンテストおよび実力テストの結果と高い相関があることを示しているが、特筆すべきは、これまでの到達度確認テストの読解方略や文法問題の結果と比べ、より高い相関が見られている点である。参考までに大門他(2018)より2016(平成28)年度の関連する数字を表12に示す。春の読解方略に関する問題については、2016(平成28)年度が.415および.390であるのに対し、2018(平成30)年度は.532と.561である。文法に関する問題については、2016(平成28)年度が.454および.438であるのに対して、2018(平成30)年度は.556と.612である。秋の読解方略に関する問題については、2016(平成28)年度が.503および.487であるのに対し、2018(平成30)年度は.650と.700である。文法に関する問題については、2016(平成28)年度が.553および.543であるのに対して、2018(平成30)年度は.654と.706である。語彙テストについては、2016(平成28)年度は「英日」(英語を日本語に訳す問題)、「日英」(日本語を英語に訳す問題)のいずれにおいても.4台(.414~.473)であるのに対し、2018(平成30)年度はいずれも.5台(.528と.572)である。したがって、2018(平成30)年度版のテストの方がより実際の学力を反映したものになっていると言うことができるであろう。6単位が修得できない理由最後に、履修登録をしたにも関わらず単位の修得に至らなかった受講生について分析しておきたい。毎授業の学習の積み重ねを重視する「英語スキルI/II」では、欠席が3回を超えた場合、つまり4回以上欠席した場合、特別な理由のない限り不可と判断することになっている。つまり15回の授業のうち最低でも12回(80%)の出席が要求される。表13に示すように、成績と出席率にははっきりした関係があり、春学期と秋学期のいずれにおいても単位を修得できなかった学生の出席率は極めて低い。中部大学教育研究No.19(2019)―4―表10フレッシュマンテストおよび実力テストの結果の平均点推移(2011年度~2017年度)表11フレッシュマンテスト/実力テストと到達度確認テストとの相関表12フレッシュマンテスト/実力テストと到達度確認テストとの相関(2016年度)

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