中部大学教育研究19
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大きくなり、特に実力の十分ではない受講生にとっては厳しい結果になるのではないかとの懸念もあったが、春学期と秋学期のいずれにおいてもその懸念は杞憂であったと言えるであろう。4語彙テストの結果前述のように、2017(平成29)年度までは到達度確認テスト内で実施していた語彙に関する問題は、秋学期に独立の語彙テストとして実施する形式に変更した。語彙テストに関する数値を表7から表9に示す。新版における有効数は初級219、中級1657、上級230であった。2017(平成29)年度までの到達度確認テストにおける語彙に関する問題は「英語を日本語に訳す問題」と「日本語を英語に訳す問題」であったので、それらに関する秋学期の平均値を大門他(2018)より引用し、比較対象として示す。各表における「語彙新」「秋英日旧」「秋日英旧」はそれぞれ「新版の語彙テスト」「秋学期に実施した旧版の到達度確認テストにおける英語を日本語に訳す問題」「秋学期に実施した旧版の到達度確認テストにおける日本語を英語に訳す問題」を指す。また、表9における「秋英日上旧」は「旧版の到達度確認テストにおいて上級クラスのみに実施していた、英語を日本語に訳す問題」のことである。いずれのレベルにおいても、標準偏差の数値が小さくなった点や、初級以外で最小値が上昇している点は改善点であると言えるであろう。5フレッシュマンテスト・実力テストの結果および、到達度確認テスト・語彙テストの結果との相関新入生は入学時に全員フレッシュマンテストを受けるが、一年次の秋学期、11月末か12月初旬に、二年次のクラス分けの参考資料として、また、入学時からの英語力の変化を測るために、実力テストを受けることになっている2)。このテストは、フレッシュマンテストと比較可能な内容であるため、両テストの得点は、受講生の実力の伸長を知る参考資料として用いることが可能である。2018(平成30)年度の両テストの結果のヒストグラムを図1と図2に、2011(平成23)年から2017(平成29)年までの両テストの平均点の推移を表10に示す。2018年度の全学英語教育に関する報告―3―表9語彙テストの結果(上級)表8語彙テストの結果(中級)表7語彙テストの結果(初級)図1フレッシュマンテストの結果図2実力テストの結果人数人数

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