中部大学教育研究19
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の結果との相関について報告する。6節では、単位の修得に至らなかった受講生について報告を行う。3新版到達度確認テストの結果3.1春学期レベル毎の到達度確認テストの結果を表1から表3に示す。有効数は初級が221、中級が1663、上級が233であった。表の一行目における「春方略新」「春文法新」は新版の到達度確認テストにおける「読解方略問題」および「文法問題」を指す。比較のために大門他(2018)で報告した2013(平成25)年度から2017(平成29)年度までの旧版における平均値を「春方略旧」「春文法旧」の欄に記した。数値は全て100点満点に換算してある。なお、分析に用いたのは、SPSSStatistics24(MacOSX版)である。新版においては、(i)「零点」の受験者がいなくなったこと(初級、中級)、(ii)得点のばらつきが減ったこと(標準偏差の値の減少)、(iii)読解方略に関する問題と文法に関する問題の平均点が近接するようになったこと(特に初級)を改善点として見ることができる。3.2秋学期次に秋学期の到達度確認テストの結果を表4から表6に示す。有効数は初級が176、中級が1629、上級が232であった。比較のために、春学期同様、表には旧版に関する数値も含めた。数値は全て100点満点に換算したものである。春学期よりも全体的に得点が低めなのは、秋学期の問題には春学期の既習内容も含まれるため難易度が上がるからだと考えられる。この傾向は新制度導入時(2011(平成23)年度)からずっと続いている。旧版における数値と比較した時、春学期に見られた三つの特徴のうちの二つ目と三つ目については秋学期においても観察された:(ii)得点のばらつきが減った(標準偏差の値の減少);(iii)読解方略に関する問題と文法に関する問題の平均点が近接するようになったこと(特に初級)。新版の到達度確認テストは旧版と比べて応用力を必要とする問題であるため、受講生間のばらつきはより中部大学教育研究No.19(2019)―2―表1春学期の到達度確認テストの結果(初級)表2春学期の到達度確認テストの結果(中級)表3春学期の到達度確認テストの結果(上級)表4秋学期の到達度確認テストの結果(初級)表5秋学期の到達度確認テストの結果(中級)表6秋学期の到達度確認テストの結果(上級)

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