中部大学教育研究18
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から、原則としてほとんどのFDプログラムは事務職員も対象にして大学全体としてFD活動推進に取り組んでいる。なお、非常勤講師が本来の勤務日(授業日)以外にFDプログラムに参加する場合には、交通費のみ別途支給している。3.FD活動の検証と効果本学のFD活動を検証するに当たっては、2008年度から学内外に向けて公表しているFD活動評価点検報告書、各プログラムの実施状況、本学FD活動に関する情報発信の状況、他大学をはじめとする学外機関からの評価、そして「学生による授業評価」のデータなどの実績に基づいてまとめたい。1)FD活動評価点検報告書の公表本学のFD活動においては、広義のFD活動の目的となりうる「カリキュラム改善」や「組織の整備・改革」に関する諸活動はFD委員会の所掌事項でないため、これらを目的とした活動以外の主に組織的に教育改善を目指した取り組みについて、2008年度以降毎年度取りまとめている。また、2013年度には「中部大学『魅力ある授業づくり』5年間の取り組みを振り返って」と5年間のFD活動の振り返りを行い、『中部大学教育研究』(No.13,pp.97-113,2013年)および学生向け広報誌『ウプト』(189号,2014年)に掲載し紹介している。組織の単位としての学部や大学院研究科は、「中部大学FD活動評価点検について(申し合わせ)」に基づいて、毎年度組織的なFD活動について目標を設定し、その実績について報告をしている。これらの資料に基づいてFD活動評価点検委員会が当該年度の「FD活動評価点検報告書」を取りまとめ、FD委員会に報告、了承を得たうえで学内外に向けてホームページ上にて公表している。上記の申し合わせは、2008年10月に制定した「FD活動評価点検報告書について(申し合わせ)」をベースに2017年度までに5度の改廃、改正を行うなど、FD活動の重点目標『魅力ある授業づくり』への取り組みに対して、組織での活動がより実質化するようにその内容や様式を随時検討して更なる教育力向上を目指しており、大学のFD活動に関する自己点検・評価に繋がっている。2)本学FD活動の実績全学FD活動重点目標『魅力ある授業づくり』の推進に際して、従来からのFDフォーラムやFD講演会に加えて、様々なテーマで新しい企画の実施に取り組んできた。これらの新企画の検討に際しては、2008年度春学期から実施しているWebを利用した「学生による授業評価」のデータについて2009年と2010年に行った分析に基づいた報告を参考にしている。「学生による授業評価」の自由記述の分析において受講生が感じる授業の印象が「板書」や「話し方」など授業運営にかかる基本技術にも大きく影響されるとの指摘があり、改めて基本技術の重要性を認識したうえで、教員の意識を高める方策を検討する余地があるなどと提言された。自由記述の分析に着目して「キャリアアッププログラム」では、『講義のための「話し方の基本」』をテーマにして、日本語の特徴や発声方法、マイクの使い方、効果的な話し方や表現方法などに関するプログラムを受講定員10人程度と少なく設定して実施してきた。講師には客員教授でもあるプロのアナウンサーの方にお願いし、定期的に実施しているプログラムの一つとなっている。―82―

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