中部大学教育研究18
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タイムに回収、結果を公表できる仕組みである。「Cumoc」を用いた授業の運用方法は、教員や授業形態により様々であるが、その回答結果に基づいて授業進度等をその場で随時見直しできることや、ティーブレイク的な使い方により受講生の緊張感を持続させる効果、また受講生の授業への参加意識を高める効果などを狙うなどの多様な活用法があり、双方向授業を構成するツールの一つとして展開していくことになった。また、授業以外に学生のみならず教職員や学外者を回答者として指定できる研修環境としてクリッカー機能を持つアンケートシステム「CumocL(キューモエル)」も学内に提供しており、併設高等学校での教員研修や大学のオープンキャンパスで来学した高校生にも使用された。4)FDプログラム:「授業サロン」の実施「授業サロン」は、2009年度に設置されたFD活動WG分科会より提言された学部間を越えた教員(5人)による互いの授業見学に基づいた意見交換会である。2008年当時FD活動の一つとして授業コンサルテーションが全国で注目を浴びていたのが教育分野の専門家チームによる授業コンサルティングである。しかし、本学では専門家チームを構成することは実質的に不可能であった。そこで、本学が総合大学であることを生かして同じ分野の教員同士ではなく、あえて異なる分野、文理の壁を越えた教員が互いの授業法について情報・意見交換(異種交流)することで異分野ならではの視点を見出すことができるのではないかと考え、有志による第1回目の「授業サロン(当時は授業研究会)」を実施した。この企画は、授業を公開することが見学する側・される側の双方にメリットをもたらすという「授業オープン化制度」の実質化にも繋がり、また、「授業改善ビデオ撮影支援制度」を活用することで教員自身の振り返りを促し、参加者の好評を得ることができた。この結果を踏まえて、FD活動WG分科会で「授業サロン」を定期的に実施できるように提言したものである。「授業サロン」は、“組織的な授業見学および意見交換会の実施”である。この企画の参加者は、互いの授業見学を材料として、授業の考え方、学生の反応、問題点、工夫、改善案等について、情報交換・意見交換を通じ、教育上における問題対応策や様々なケースにおける授業改善のヒントを見出すことが目的である。本企画は毎学期1~2グループを運営している。この「授業サロン」は、参加者による学部を超えた教員のFDネットワークを広げることにも繋がっており、他大学からも多くの関心が寄せられている。5)FDプログラム:「全学公開授業」の実施「全学公開授業」の実施は、前項の「授業サロン」とともに2009年度に設置されたFD活動WG分科会において「授業オープン化制度」の実質化を目的として提言されたものである。「全学公開授業」は、「授業サロン」のような組織的な授業研究会とは異なり、単発で授業担当者が実施できるという利点がある。具体的には、授業の公開を希望する教員を講師として募り、公開日を調整した後に、当該授業の授業紹介シートを公表して授業見学者を募る。見学者は教員に限らず、見学後に授業見学コメントシートを記入し、授業担当者にフィードバックするという仕組みである。2013年度から5年間で20人が授業を公開している。6)FDプログラム:「FDフォーラム・FD講演会」の開催センターを開設した2000年度以降、本学のFD活動の礎となってきた「FDフォーラム」と「FD講演会」は、2013年度以降の5年間で様々なテーマをとりあげ、「FDフォーラム」を―77―

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