中部大学教育研究18
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FD活動の支援組織としては、2000年4月に学長直属の組織として大学教育研究センター(以下、センターという)を設置し、本学の教育全般に関する調査研究と大学教育の改革・改善、質的向上等を目指す活動を推進、支援してきた。センターの設置以降は、2002年9月に本学で初めてのFD研修会を実施するなど、2012年度までの13年間で33回のFD講演会の開催を中心に、「私の授業づくり」を基本テーマとした第1回FDフォーラム(同テーマで6回開催)から延べ18回のFDフォーラムを開催して本学FD活動の礎を築いた。これらのFD活動と並行して、2002年度には教員個人の教育活動改善を推奨することを目的とした教育活動・改善表彰制度を全国の大学に先駆けて施行し、他大学等教育関連機関の注目を浴びた。その後、2007年4月には6学部21学科を有する総合大学(センターが設置された2000年度は4学部13学科、現在は7学部32学科(募集停止6学科)、4専攻)となり、学科の増加により教員の勤務形態、教育体系、教育方法においてそれぞれ多様化が進んだ。これらの変化は、「教育活動・改善表彰制度」の運用において実態と一致しないことが生じるなど、本学のFD活動全般の見直しを求めるものとなり、2008年度から新たな教員表彰制度として「教育活動顕彰制度」を施行した。学部・学科増に伴うその他の本学のFD検討課題として①大学院におけるFD活動②非常勤講師を対象とするFD活動③FD活動における目的の明確化と方法④学生の状況を理解したうえでのFD活動のあり方を挙げた。2008年度以降、「FD推進組織体制」の再整備、「教育活動重点目標・自己評価シート」(後述)の改正、FD活動の重点目標『魅力ある授業づくり』の制定、マークシート方式からWebを利用した「学生による授業評価」への変更、「教員による授業自己評価」の実施、「授業改善アンケートシステム」の提供、「教育活動顕彰制度」の実施がFD活動推進方策として承認され、進められていくことになった。2009年度と2012年度にはFD活動WG(図1参照)において、重点目標である『魅力ある授業づくり』のより実質的な推進策を検討するために、学部代表であるWG委員だけではなく“公募”による教員を加えたメンバーで、いずれの年度も2つの分科会を設置し、分科会ごとに定めたテーマについて検討を行った。2009年度の分科会では「授業オープン化制度の実質化」と「教員研修の制度化」をテーマに検討を行い、新たなFDプログラム「授業サロン」「全学公開授業」および「教員キャリアアッププログラム」の実施について提言した。また、2012年度の分科会では「FD活動重点目標の具現化に向けての検討」と「系統的な教員研修システムの構築」をテーマとして検討を進めた。その後、本報告書冒頭に記したFD活動重点目標『魅力ある授業づくり』の継続をはじめ、授業評価における学生からの自由記述の閲覧に関する取り扱い、「教育活動重点目標・自己評価シート」の全学共通項目の設置、「中部大学発『魅力ある授業づくり』作品コンクール」「FDカフェ」「中部大学『魅力ある授業づくり』プログラム」の実施等について提言を行った。なお、FD活動の推進、支援部署としての大学教育研究センターは、本学のFD活動の行動指針として「明るく、楽しく、元気があるFD活動」「草の根のごとく浸透するFD活動(FDネットワークの構築)」「学外にも広く公開しているFD活動(ホームページへの掲載)」を掲げた。2011年8月には、2008年度以降の本学FD活動全般について検証することを目的として、日本高等教育開発協会(JAED:JapanAssociationforEducationalDevelopmentinHigherEducation)主催の第1回「高等教育開発フォーラム」において初めて外部評価としてのFDコンサルテーションを受審した。その結果、本学FD活動に加えて学生参加型FDの推奨があったものの、「授業サロン」をはじめとして概ね良い評価を得た。―73―

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