中部大学教育研究18
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中部大学『魅力ある授業づくり』5年間の取り組みを振り返って-2013年度から2017年度の実践と振り返り-本学では、2007年度にFD委員会において検討を行い、2008年4月に制定したFD活動重点目標『魅力ある授業づくり』に関する5年間の取り組みを振り返り、2013年に全学的なFD活動について評価・点検を行っている。本報告書は、前回の振り返りから5年間(2013年度から2017年度まで)のFD活動の評価・点検を総括し、今後の方向性を見出すことを目的としてまとめたものである。この重点目標『魅力ある授業づくり』は制定当初5年間を目安としていたが、2012年11月に開催したFD委員会において、引き続き2013年度以降も重点目標とすると同時にその意図するところをより明確に学内外に広く提示することが望ましいとして、以下の枠内のとおり定めて2013年度より公示している。『魅力ある授業づくり』は、学生と教員が協同して行うものです。魅力ある授業・・(学生にとって)興味を持って聴ける授業、将来において役立つ授業(教員にとって)学生の成長を実感できる授業、学生から感化を受ける授業授業づくり・・・(学生が目指す)自主的に学ぶ態度、知識・技術の修得(教員が目指す)授業改善、授業スキルアップ(学生と教員が目指す)双方向のコミュニケーション1.全学FD活動の推進経緯(2012年度まで)本学における記録に残る教育活動・改善に向けた教員の資質向上策としてのFD(FacultyDevelopment)活動は、1993年に遡る。学長を委員長とした全学自己点検・評価委員会のもと、同委員会・授業評価検討小委員会において教育活動の点検・評価の具体的な方策として「学生による授業評価」の実施に関する検討を開始した。「学生による授業評価」は、1995年からマークシートを利用して毎学期実施したが、2001年4月、2002年4月の2回の大幅な実施方法の見直しを経て2008年4月よりWebを利用した「学生による授業評価」へ変更した。新たに「教員による授業自己評価」の実施および「授業改善アンケートシステム」の提供も始めている。また、2010年9月には携帯電話による回答可能なシステム導入とともに全国でも初の試みとなる全ての授業において活用できる携帯電話を活用したクリッカーシステム「Cumoc(キューモ):ChubuUniversityMobileClicker」を運用した。本システムは、複数のメディアに取り挙げられ、現在は同様のシステムが他大学でも使用されている。さらに、2011年7月には「Cumoc」の関連システムとして研修環境を設けて教員向けの研修も実施できるようになった。この研修環境は、授業以外での利用が可能であり、在学生、教職員や学外者を回答者として指定できるクリッカー機能を持つアンケートシステム「CumocL(キューモエル)」として学内に提供した。こうした本学「授業評価」の変遷は、教育力の向上を目指すFD活動の評価・点検において重要な意義を持つことになる。―72―

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