中部大学教育研究18
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4結果表1の通り、総合的には、非常に高い満足度を示した。15項目中、6件法で中央値が4.00を下回るものは1つもない(ただし、平均値ベースで3点台の項目が4つある)(表1の平均値と95%CIを参照のこと。)。以下、満足度の観点から、アンケート調査の結果を大きく3つに分けて報告したい。満足度が「非常に高かった項目」(中央値が6.00のもの)、「高かった項目」(中央値が5.00のもの)、そして、「改善が必要な項目」(中央値が4.00のもの)である(全てN=147)。まず、「満足度が非常に高かった項目」(中央値=6.00)は、次の3つである。(Q1)英語英米文化学科生が使える専用の自習部屋(=MMR)があるのは、良いことだ。(Q6)MMRで手軽にネットを使った情報検索(や論文検索)ができることは、レポート(や論文)の執筆をする際に便利だ。(Q12)MMRで授業の宿題や課題ができることに満足している。次に、「満足度が高かった項目」(中央値=5.00)は、次の7つである。(Q2)MMRでは、先輩に留学や学生生活について気軽に相談できる。(Q3)MMRは、授業場所(教室)と距離が近く使いやすい。(Q4)MMRで仲間が頑張っているのをみると、良い刺激になる。(Q5)自分にとって、MMRの存在は重要だ。(Q8)MMRではグループワークができるので、利用しやすい。(Q10)MMRのアシスタントの仕事ぶり(例.本の貸し出しやパソコンの使い方の説明)に満足している。(Q11)MMRで英語の自主学習(例.ビデオ教材をみる)ができることに満足している。最後に、「改善が必要と思われる項目」(中央値=4.00)は、次の4つである。(Q7)MMRには、自分の実力や興味に合った英語教材(例.本やDVD)がある。(Q9)MMRでは語学の授業(例.スピーキング練習)もできることが良い。(Q13)MMRのPCの性能(例.起動速度やプログラムの処理速度)に満足している。(Q14)MMRのネット環境(ネット閲覧の速さ)に満足している。(MMRに関する満足度を問う質問・記述の一覧は資料を参照のこと。)5考察今回、結果を便宜上3つのグループに分けたが、上述のように、すべての項目で中央値が4.00を下回るようなものはなかった。総合的にみて、利用者はMMRの役割や存在に「大いに満足」、あるいは「満足している」と言えそうである。その一方で、改善が必要であることが示唆された項目は、コンピュータの性能とインターネットの遅さ、利用頻度に関するものであった。年々、コンピュータの性能が格段に向上している中、5年以上前に導入した機器の老朽化には不満を感じている学生も多いようである。以下、具体的に考察してみたい。まず、他の項目と比べて、満足度が非常に高かった項目の1つは、学科に「自前の語学教室があること」であった(中央値=6.00/6.00)。工学部でそれぞれの研究室に専用の実験室が必要であるように、文系でも自分たちが常時自由に使うことができる専用の「学習の場」の存在が重要であると強く言えそうである。さらに、その「学習の場」が普段の授業が開講される建物の中にあり、「近くて使いやすい」ことが彼らにとって重要であることがわかる。加えて、MMRで「手軽―61―英語英米文化学科における「マルチメディア教室」満足度調査表1MMR満足度調査に用いた15の質問項目に関する記述統計

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