中部大学教育研究18
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体指導を行なっている。説明に納得した学生は、適切なトレーニング方法で効果を実感していくが、そうでない場合は、単にクリックしたり発音を適当にしたりしているだけで、発話の自信にもリスニングの意欲にも変化が見られない。中級レベル以上になると、例文発音レッスンにおいて、英文表示を消して耳だけを頼りにシャドーイングしたり、即時リピーティングしたりすることが徐々に難しくなる。しかし、入門・初級の段階で意識的にトレーニングした場合は、その難易度も下がり、スムースにトレーニングレベルをあげることに成功する。学生が困難に直面した場合には、終えたはずのコースを、意識を変えてトレーニングし直すことを勧めている。5ATRCALLBRIX指導がもたらすもの筆者が2017年度末に行った英語学習に関する意識調査の結果から、次のようなことが明らかになった。図5は、ATRCALLBRIXでのトレーニングを行う際、何を最も意識しているかを複数選択で尋ねた結果である。(2017年度1~2年生、n=128)1番目選択が多かった「プロソディをよくしようとすること」としたのは1~2年生合計32人で、全体の35%であった。2番目に選択されたのは「文単位になっても単語発音をよくしようとすること」で、23人、全体の18%であった。5番目に選ばれている「子音の発音」は、14人、全体の11%であった。1番目、2番目、5番目の項目は、授業中に最も重点を置いていることで、これらを選択した学生は合計69人となっている。すなわち全体の54%の学生が、授業での指導内容を正しく理解しトレーニングを進めたものと考えられる。図6は、ATRCALLBRIXでのトレーニングを開始してから変化していると自覚していることがあるかを尋ね、最も当てはまるものを1つだけ選択させたものである。(2017年度1~2年生、n=128)「英語の発音がよくなってきている」と36人が回答した。「英語が以前よりも少しでも聞こえるようになってきている」と28人が回答した。「いくらトレーニングしても何も変化していない」と感じている学生が1名いた一方、「変化を感じられるほど、トレーニングできていない」と回答したものはいなかった。128名中、127人(99%)が、ATRCALLBRIXでのトレーニングを開始してから何らかのポジティブな変化を自覚していることが分かった。図7は、2年生を対象にATRCALLBRIXでのトレーングを開始してから、最初に変化を感じたのはいつ頃かを尋ねた結果である。1年生の秋学期から2年生の春学期中までの期間だとした学生が44人(66%)であった。最も早く変化を感じているのは、1年生の春学期中を選んだ8人(12%)であった。図8は、入学時からリスニング力に影響を与えたものが何かを尋ね、複数回答させたものである。(n=61)全体61人の内「Glexaを活用した学習」を31人(51%)が自分の英語力(リスニング力)に影響を与えていると回答した。「1年生授業でのアクティビティ<個別トレーニング>」を29人(48%)、「ATRCALLBRIXを活用したトレーニング」を29人(48%)、「1年生授業でのアクティビティ<ペアやグループでのトレーニング>」を28人(46%)が自分の英語力(リスニング力)に影響を与えていると回答した。選択した項目それぞれに対して、学習者本人が「自分の英語力(リスニング力)に影響を与えている要素で―47―ATRCALLBRIXがもたらすもの図5BRIXでのトレーニング時に優先していること人

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