中部大学教育研究18
23/122

話せるようになる気がする」、「書けるようになる気がする」という声がいくつもあった。授業内でQuizletの有効性を実感した受講生が授業外でも表1の様々な学習法を積極的に実践し、4技能のすべての面での上達を実感してくれることを願っている。謝辞Quizlet教材の基本部分は、本文で触れたように、2017(平成29)年度の特別研究費(CP)の助成を受けて作成したものです。共同研究者の加藤由崇先生、和田珠実先生に厚くお礼申し上げます。注1)同様に、英語話者にとって日本語の習得は困難であり、アメリカ外交官養成局が作成した習得困難な言語ランキングでは、88週、2,200時間の学習が必要な最も難しい言語の一つとして挙げられている。2)教材やその成果については、加藤他(2018)で報告されている。3)1年次の教科書はOhkadoetal.(2013)。2年次の教科書はBennett(2011)である。4)終戦直後に英語の必要性が問題になった時、読書力を身につけさえすればいい、という目的論に対して石橋(1946)は、言語の本質論から音声をまず大事にすることが重要だと訴えた。寺沢(2014)の言う「言語/語学の本質」論に分類される言説のひとつであるが、その後の知見を先取りした優れた見解であったと言えるであろう。もちろん熟達した読者が音韻処理を介在せずに読解を進める場合はあるが、本稿で考察の対象とするような学習者には当てはまらない。5)この点は残念ながら言語の指導者の間でも十分認識されているとは言い難い。これは、日本語の一部(漢語)が表意文字であること、および、中国語を音声を無視し「漢文」として理解する伝統があることが大きな理由であろう。6)テキストデータからの語彙抽出にはKHCoderのMacOSX版を用いた。KHCoderのホームページのURLは以下の通り:http://khcoder.net/参照文献Bennett,A.E.(2011)ReadingFusion1.Tokyo:Nan'un-do.EffectiveLanguageLearning(undated)LanguageDifficultyRanking(undated)https://www.effectivelanguagelearning.com/language-guide/language-difficultyHamada,Y.(2011a)AStudyonaLearner-FriendlyShadowingProcedure.JournaloftheJapanAssociationforDevelopmentalEducation,6,71-78.Hamada,Y.(2011b)ImprovementofListeningComprehensionSkillsThroughShadowingwithDifficultMaterials.JournalofAsiaTEFL,8,139-162.Lennon,P.(1990)InvestigatingFluencyinEFL:AQuantitativeApproach.LanguageLearning,40,387-417.Ohkado,M.,D.Laurence,&C.Smith(2013)Discoveries:StrategiesforAcademicReading.Tokyo:Kinseido.Rieben,L.&C.Perfetti(1991)LearningtoRead:BasicResearchandItsImplications.Hillsdale,NJ.:LawrenceErlbaumAssociates.Smith,D.L.(1978)MirrorImagesinJapaneseandEnglish.Language,54,78-122.石橋光太郎(1946)「文の表現機能」『英語の研究と教授』(10月)、22-24.加藤由崇・和田珠実・大門正幸(2018)「Quizletを活用した英文読解教材の開発」『第90回LET中部支部研究大会』岐阜女子短期大学における口頭発表(2018年1月20日).寺沢拓敬(2014)『「なんで英語やるの?」の戦後史』東京:研究社.―15―Quizletを活用したスピーキング・リスニング指導

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る