中部大学教育研究17
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・時間数:90分×15コマのうち4コマ・目的:学生が子どもの発育発達のイメージを確立し、子どもを育てる親の気持ちや子どもをもつ家族の生活実態に関する知識を得る・参加者:5組の親子ボランティア(表1)・演習内容:演習全体の内容(表2)・演習場所:学内実習室(511A,B)表1親子ボランティアの概要表2演習全体の内容親子ボランティアとのふれあい演習当日に向けて、事前準備では、子どもの発育発達のアセスメントや、子どもとの遊びの計画立案に必要な「乳幼児の発育発達のまとめ」を個人ワークとして実施した。次に、3~4人で構成されるグループで「子どもとの遊びの計画」と「母親へのインタビュー計画」の立案をした。当日関わる親子をあらかじめ決めておき,「子どもとの遊びの計画」では子どもの月齢/年齢から定型発達を捉え、発達を促す安全な遊びを考えた。企画書を作成し、実際に使う遊び道具をそろえたり手作りしたりした。「母親へのインタビュー計画」では、子育て支援につながる専門職としてのインタビューになるよう、子どもを育てる親の思いや生活の様子を傾聴するようなインタビュー項目や、子どもの発育発達をアセスメントするためのインタビュー項目を挙げた。グループワーク終了後にはグループ単位でワークの内容を発表し、「○歳△か月の子どもの発育と発達」「遊びの提案とその理由」「母親へのインタビュー項目」の3種類について全体で共有した。また質疑応答を通して、学生間で気づきを伝え合い、その学びから各グループの計画を見直し修正した。更に、親子ボランティアの安全確保のため、発達段階による事故の特徴から、乳幼児にとって危険が伴うとなり得る箇所や物品等を確認し、コンセントカバーの設置や子どもの興味を引く展示物の撤去などの対策を施した。親子ボランティアの安全補償については、会場の環境整備の他にイベント保険への加入も並行して行った。写真1計画の発表と質疑応答の様子当日は、学生が、限られた時間で異なる年齢の子どもとふれあう機会を得られるように、学生各グループが2組の親子とふれあうことができるようにローテーションを組んだ。移動は親子の安全面を考え、親子がいる場所は変えず学生グループ側が順に移動した。ふれあいタイムの実際では、約30分間で学生が事前に計画した遊びを提供し、母親へのインタビューを実施し、これを親子と学生の組み合わせを変えて2回繰り返した。教員は親子に負担はないか安全配慮をしながら、学生がリラックスして親子に関われるように見守り、助言した。親子ボランティアとのふれあいタイム終了時には、参加された母親全員から、学生が計画した遊びに対する児の反応についての思いや本日の感想を述べていただいた。親子ボランティアとのふれあいタイム終了後、学生はグループで遊びの計画に対する結果とインタビュー―78―中部大学教育研究No.17(2017)

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