中部大学教育研究17
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開では、術後1日目から離床し、歩かなければならない」「緊急帝王切開で貧血もあり離床がなかなか進まない」「産後の疼痛が強く、その中でも頑張って早期離床をし、授乳を行う姿に感動した」「早期離床のメリットを指導し、早期離床を行い術後合併症は引き起こさず順調に回復した」という帝王切開後の離床についての内容であった。『褥婦さんたち』は、「褥婦さんたちからの質問」「褥婦さんたちも不安がいっぱい」「褥婦さんたちは健康である」という内容であった。『手術』は帝王切開についてであり、少数ではあるが「帝王切開は手術であるが、分娩である」という内容もあった。『黄疸』は新生児の生理的黄疸についての内容であった。『因子』は、「胎児の発育を阻害する因子」「マタニティブルーが起きる可能性の高い因子」「授乳のポジショニングなどの因子」という内容であった。『喜ぶ』は、「子どもができた喜び」「出産は女性にとって喜びである」「喜びを覚え、やる気を引き出す」「褥婦の喜びに繋がる」「命の誕生の喜び」「一緒に喜びを分かち合う」「喜びよりも悲しみが大きくなってしまう」「喜びである半面、ストレスにもなりうる」という内容であった。特徴表現として有意差が認められたのは、『必要-指導』『退院後-継続』であった(図4)。原文検索すると、『必要-指導』は、「短い入院期間の中でその人に必要な指導」「今後を予測して褥婦に必要な援助・指導を考えなければならない」という内容であった。『退院後-継続』は、「妊娠から退院後まで継続した介入」「退院後にセルフケアが継続されるように」「褥婦・新生児が退院後も継続して健康維持ができる」という内容であった。7考察7.1経膣分娩の褥婦を受け持った学生の学びの特徴特徴語の結果から、経膣分娩の褥婦を受け持った学生は、対象者を通して産褥婦特有の痛みについて知ることができていた。また、外来実習、分娩見学や指導場面を通して、妊産褥婦と場を共有したことで、その場の雰囲気を感じ取り、有効なケアや指導をするための環境づくりやコミュニケーションに必要な技術を感じることができていた。また、新生児が実際に動く様子や、生後日数や産褥日数に応じた変化を目の当たりにしたことで、更に観察の重要性を感じていた。そして、妊娠・出産は病気ではなく、母性看護の対象は健康な方が多く、ウェルネスの視点での看護が重要になってくることに気づくことができていた。これらのことから、母性看護学特有の対象や看護の特徴を理解することができていると考える。特徴表現の結果から、他領域の看護でも必要ではあるが、入院期間が短い母性看護学領域で、より求められる退院後まで予測するアセスメント力の必要性や指導技術が母性看護における大切な役割であると理解していることが分かった。7.2帝王切開分娩の褥婦を受け持った学生の学びの特徴特徴語の結果から、帝王切開分娩の褥婦を受け持っ―63―受け持ち対象者の分娩様式が母性看護学臨地実習における学生の学びに及ぼす影響図4特徴表現抽出(帝王切開分娩の褥婦を受け持った学生)

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