中部大学教育研究17
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3.5全学公開授業の効果全学公開授業の受講状況で群分けを行った場合、いずれの評価スコアを従属変数としたときにも、2次の交互作用および受講状況と時期の交互作用は有意ではなかった。そのため、全学公開授業の受講を独立変数に用いた場合は、仮説1および2を支持する結果は得られなかった。また、仮説の検証には直接関係しないが、従属変数の種類によらず、事前の授業力と時期の交互作用、測定時期の主効果、事前の授業力の主効果が有意であり、効果の方向性はFDプログラム受講の総合効果の場合と同様だった(Fs>4.74,ps<.05,η2ps>.01)。同じく仮説の検証には関係しないが、学習促進評価スコアを従属変数とした場合、事前の授業力と受講状況の交互作用が有意であった(F(1,345)=5.39,p<.05,η2=.02)。そこで、受講状況の各水準で授業力の単純主効果を検討した結果、いずれの状況においても事前の授業力が高い教員の方が低い教員より学習促進評価スコアが有意に高かった(受講群F(1,345)=26.85,p<.001,η2p=.60;統制群F(1,345)=128.98,p<.001,η2p=.28)。この他の主効果および交互作用は有意ではなかった。各群の平均値および標準偏差はTable6に示した。Table6授業評価スコアのMとSD(全学公開授業)3.6キャリアアッププログラムの効果キャリアアッププログラムの受講状況で群分けを行った場合、授業運営評価スコアを従属変数にすると、個人差変数を含む2次の交互作用は有意ではなかったが、受講状況と時期の交互作用が有意であった(F(1,345)=5.88,p<.05,η2p=.02)。そこで、受講状況の各水準で時期の単純主効果を検討したところ、いずれの群でも事後に授業運営評価スコアが上昇していたが、受講群の効果量がより大きかった(受講群F(1,345)=12.13,p<.001,η2p=.17;統制群F(1,345)=3.19,p<.10,η2p=.01)。これは受講効果に関する仮説1に沿う結果であった(Fig.2)。一方、学習促進評価スコアを従属変数にしたとき、2次の交互作用および、受講状況と時期の交互作用は有意でなく、仮説1および仮説2は支持されなかった。Fig.2キャリアアッププログラムの受講効果(エラーバーは標準誤差)また、仮説の検証には関係しないが、いずれの評価スコアを従属変数とした場合も、事前の授業力と時期の交互作用、時期の主効果、事前の授業力の主効果が有意であり、効果の方向性はFDプログラム受講の総合効果と同様だった(Fs>=13.20,ps<.05,η2ps>.04)。この他の主効果および交互作用は有意ではなかった。各群の平均値および標準偏差はTable7に示した。Table7授業評価スコアのMとSD(キャリアアッププログラム)3.7FDカフェの効果FDカフェの受講状況で群分けを行った場合、授業運営評価スコアを従属変数としたとき、2次の交互作用に有意傾向が見られた(F(1,345)=3.41,p<.10,η2p=.01)。そこで、事前の授業力の各水準における受講状況×時期の単純交互作用を検討したところ、事前の授業力高群のみで有意な交互作用効果が見られた(授業力低群F(1,345)=0.86,ns,η2p=.01;授業力高群F(1,345)=3.93,p<.05,η2p=.02)。そこで、事前―26―中部大学教育研究No.17(2017)Table5授業評価スコアのMとSD(FD講演会)

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