中部大学教育研究17
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写真12016年第1回目ゲストの尾上さんと4サポーターの人間力について本プロジェクト終了後、参加学生には、チャレンジサイトを通して身についたと感じる人間力について、それぞれの具体的な体験を例にあげながらディスカッションしてもらった。また、人間力とは何か、ということについて考えてもらうために、簡単な文章にもまとめてもらった。まず、学生自身が身につけることができたと感じた人間力をそれぞれの役割ごとにまとめる。①全体統括(ディレクター)全ての学生の行動を把握し、連絡や報告、相談を行う必要があった。全体をまとめ、一つの目標を成し遂げることの難しさを実感しながら「統率力」を獲得できた。②AD(アシスタントディレクター)チャレンジサイト自体に自らもスケジュールを調整し参加する必要があるなど「計画力」を身につけることができた。③ゲスト対応相手の都合に合わせて交渉をする必要があるため、こちらが1日遅れると1週間も日程がずれてしまうこともある。他のメンバーへの情報共有もスムーズに行うことや「先を見た行動」の重要性を実感した。④ポスターデザイナーポスターを掲示するために学内の全学部の事務室に足を運んだり、交渉したことで、人との「コミュニケーション力」が身についた。また、ポスターをデザインするために、いろいろなデザインについて考えるという「発想力」が身についた。⑤ライターポスターデザイナーの役割には、事前の予告掲示にとどまらず、当日のスケジュールやゲストのプロフィール情報をまとめた冊子の配布なども含まれる。デザイン、レイアウト、文章、中部大学のドキュメントセンターへの印刷の依頼や印刷日時の設定等も全て自ら行うため、ドキュメントセンターとのやりとり、電話での対応なども通して、「主体性」と「対応力」を身につけることができた。⑥MCゲストによるトークを受け、その話の内容から、その時聴衆が何を疑問に思うかを考え、そのタイミングで的確にゲストに質問することが重要である。また、ゲストが学生に何を伝えたいのかを感じ、そこの話題を膨らませるなど、タイムスケジュールや時間配分を臨機応変にすることが必要である。トークライブの流れをしっかりと把握し、予定時間を超過しないよう常に時間を気にしながらゲストとの掛け合いの流れを誘導することがMCにとって最も大切な役割といえる。⑦カメラマン・機械操作時間内に終わらせるための「調整力」、当日までに何をするべきかを考える「計画性」、当日の進行が進まないときに、その場で考えて行動する「アドリブ力」が身についた。写真2毎回趣向をこらした当日パンフレット⑧壁新聞の記者(ジャーナリスト)壁新聞の作成は、全体のスケジュールや運営状況の把握、ゲストや参加メンバーへの取材にとどまらず、写真撮影や壁新聞の記事の作成、レイアウトやデザインにいたる複数の事柄をこなす。どのようにして「文字で情報を伝えるか」ということが難しかったため、当日来ていない人が見ても、トークライブの様子が伝わるように心がけ、ゲストの魅力を紙面に最大限出す点を重視した。以上のように、学生が自らの経験を通して身についたと感じた人間力についてディスカッションしたり文章化することで、改めて認識させることをねらいとした。さらに、参加学生には、チャレンジサイトを通して今後社会で必要だと感じる人間力について、反省点も踏まえながらまとめてもらった。学生には、個別の役割の他、各自で広報活動なども行ってもらったため「誰かがやってくれるであろうと―191―チャレンジサイトを通したコモンズコンシェルジュの関わりとコモンズサポーターの育成について

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