中部大学教育研究17
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1はじめに本稿は、コモンズセンターを拠点とし2015年度、2016年度にわたって「チャレンジサイト」の一環として行われた「夢を叶えたOB・OGとトークライブで交流しよう!プロジェクト」の実践報告である。プロジェクトを通じた学生の人間力育成の試みをコモンズコンシェルジュの関わりも踏まえながら提示することにより、本学の教育研究に資することが本稿の目的である。2プロジェクトの目的と趣旨本プロジェクトは、中部大学を卒業後、社会に出て夢を叶えたOB・OGを招き、経験や体験をトークライブという形で学生に共有させることによって、企画運営に参加する学生の人間力を養い、聴衆として聞きに来る学生がキャリアプランニング能力を身につけることができるものとして立案された。その特色は、卒業後年数の浅い20代30代のOB・OGを招くという点と、学生が自ら交渉や準備を行うという点である。比較的年齢も近い卒業生なので学生にとっても接しやすく、また卒業生の側にも学生に対する教育的効果を説明し、通常の講演会のようにいかないケースもある点を理解のもとご協力をいただいた。学生へのコモンズコンシェルジュの教育方針としては、基本的に全てを学生主体とし、学生の人間力を養うためのサポートのみ教員が行う。例えば、プロジェクトの運営(招聘・日程・場所の確保)、広告と宣伝(ポスターとパンフレットの作成・配布・掲示)、当日の運営(司会・機器操作・OBやOGのアテンド・案内)、終了後のニュースレターの作成(執筆・印刷・配布)を全て学生が主体的に行うこととした。期待した効果は二つある。一つ目は、本プロジェクト参加学生への直接的効果である。上記の行程を隔月で経験することによって、企画力、コミュニケーション能力、運営能力が身につくだけでなく、グループワークによる協調性、自らOB・OGとのやりとりを重ねることによる交渉力、主体性、さらにキャリアに関する知識や経験を養い、結果的に人間力が向上することを見込んだ。二つ目は、本プロジェクト実施による周囲の学生への効果である。常日頃学生の集まる不言実行館2階コミュニケーションエリアの横に位置するステージエリアを利用することによって、多くの学生に足を運んでもらうことが可能となる。また、学生が集まるスペースを利用することによって、偶然そこに居合わせた学生にも注目させる効果を狙った。3学生の活動本プロジェクトには、コモンズセンターのコモンズサポーターから多様な学科学年の学生が運営者として参加した。2015年度には12名、2016年度には8名の参加者があった(表1、表2)。主となる活動は2か月に1度OB・OGを大学に招き、トークライブという形で自身の体験について語ってもらうものであるが、―189―《エッセイ》チャレンジサイトを通したコモンズコンシェルジュの関わりとコモンズサポーターの育成について平井芽阿里*・岩間優希**1全学共通教育部全学総合教育科講師表22016年度参加学生学科学年別表12015年度参加学生学科学年別

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