中部大学教育研究17
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1はじめに日本政府が推進する「カケハシ・プロジェクト(KAKEHASHIProject)」に、中部大学が採択され、中部大学生23名と引率教員2名の計25名が、2017年3月15日(水)から3月22日(水)の8日間、アメリカ合衆国ミシガン州デトロイト市に派遣された。そして、現地の大学や高校等で日本の魅力などについての英語による発表、在デトロイト日本国総領事館への表敬訪問や日系企業の訪問、ワークショップおよび成果報告会での発表を行ってきた。カケハシ・プロジェクトは、日本政府(外務省)が、対外発信力のある将来有望な人材をアメリカへ派遣し、政治、経済、社会、文化、歴史、外交政策などについて、日本への理解を促進するとともに、親日派・知日派を発掘し、日本の外交姿勢や魅力などを積極的に発信して、日本の外交の基盤を充実させることを目的とした対日理解促進交流プログラムで、日本国際協力センター(JICE:JapanInternationalCooperationCenter)が実施している。2016年度のカケハシ・プロジェクトに選ばれたのは、中部大学の25名を含め、全国23大学549名で、23大学のうち9大学が私立大学である。中部大学は、静岡大学の25名とともに派遣された。2カケハシ・プロジェクト運営委員会このカケハシ・プロジェクトを成功させるべく、国際センターを中心にカケハシ・プロジェクト運営委員会が設けられた。その委員会は、委員長に石原副学長・国際センター長(現学長)、副委員長に林副センター長、委員として、河内、塩澤、今村、ローレンス、北條、鈴木、岡島の9名が、プロジェクトへの申請書類の作成をはじめ、派遣学生選考からオリエンテーション、現地での日本からのサポートなど、カケハシ・プロジェクト全般のアドバイスおよび支援にあたった。3派遣学生選考および派遣準備:ワンキャンパスの強み募集要項やポスターに明記された「航空運賃、滞在費等ほぼ全額免除で8日間のアメリカでのプロジェクトに参加できます」という文言にも惹かれ、10月26日(水)のカケハシ・プロジェクトの説明会には、予想をはるかに超える約200名の学生が集まった。23名の募集人数に対し、11月7日(月)の応募締切までに87名の応募(競争率3.8倍)があったため、まず書類選考で成績・英語力・特技などから50名を一次合格とし、その後の面接で23名の派遣学生を決定した。今回応募した学生の中には、成績は優秀であっても、経済的理由から今までは海外への留学プログラムに応募したくてもできなかったが、「航空運賃、滞在費等ほぼ全額免除」というプログラムのポスターを見て、これなら私にも応募ができるということで申し込んだ学生も多かった。選ばれた23名の学生の内訳は、男子学生9名、女子学生14名、学部1年生から博士後期課程1年生まで全ての学年の学生構成となった。また学部と大学院で見ると、学部生20名と大学院生3名で、大学院生は3名とも工学研究科の学生であった。学部生20名の内訳は、人文学部英語英米文化学科13名、国際関係学部国際学科3名、同国際関係学科1名、同国際文化学科1名、工学部ロボット理工学科1名、生命健康科学部生命医科学科1名であった。それに加え、今村とローレンスの引率教員2名の、計25名がデトロイトへ向かうこととなった。11月30日(水)の第1回オリエンテーションから、山下興亜学長・石原修副学長にプレゼンテーションを行った3月8日(水)の約3カ月半の間に10回のオリエンテーションを行った。2月1日(水)の第5回オリエンテーションからは、毎週水曜日の午後、プレゼンテーション練習に励んで本番に備えた。今回の派遣で一緒になった静岡大学の引率教員の原沢伊都夫教授とSteveUrick准教授から、準備の大変さを伺うことができた。特に、静岡大学は静岡キャンパスと浜松キャ―183―《エッセイ》対日理解促進交流プログラムカケハシ・プロジェクト派遣今村洋美*1・石原修*2・林良嗣*3・河内信幸*4・塩澤正*5DavidLaurence*6・北條泰親*7・鈴木清明*8・岡島健*9*1全学共通教育部全学英語教育科教授*2学長*3総合工学研究所教授*4国際関係学部国際学科教授*5人文学部英語英米文化学科教授*6人文学部英語英米文化学科准教授*7国際センター事務部部長*8国際センター事務部次長*9国際センター事務部課長

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