中部大学教育研究17
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生の成績や主観的評価を分析した結果、7段階評定尺度で一番下の4分の1にランクされる教員の効果に関する主観的な評価が4.8に対し、一番上の4分の1にランクされる教員は6.3となった。もし下の4分の1の教員を上の4分の1の教員と入れ替えることができるならば、授業の辞退率は2%改善し、成績は8%高くなり、2年生で同様の授業を受講する率は4%高くなるという(Hoffmann&Oreopoulos,2009,p.91)。この研究を拡張すると、教育に焦点を置いている教員の授業は学生の満足度が高くなる。加えて教育は、研究に重点を置く教員にとって研究に反対の影響がある重荷として認識されている。また、教授学習開発(FD)に関わる教員はより効果的な教員になりそうだということも証拠が示されている。VajoczkiらはこのようにTSFの存在と学生の学習経験の質は肯定的な関係があると推論しても良いように思われると結論づけている(Vajoczkietal.,2011,p.15)。また、定性的な調査として、Vajoczkiらは先述の報告書のなかでオンタリオ州の21の大学の教学担当副総長(provost)に連絡を取り、TSFが在職する11の機関に対し、TSF導入のメリット(benefits)とデメリット(drawbacks)について調査とインタビューを実施した。以下がその概略である(表3)。―10―中部大学教育研究No.17(2017)表3オンタリオ州におけるTSF導入のメリットとデメリット(Vajoczkietal.,2011,pp.49-52)Factor Benefits DrawbacksTSFTSFTSFTSFTSFTSFTSF3TSF

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