中部大学教育研究17
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1研修に至った経緯生命健康科学部スポーツ保健医療学科がスタートして以来、学科の海外研修の計画はないのかという問い合わせは一部の学生からではあったが度々あった。さらに、本学の長期・短期海外研修プログラムに参加する学科学生も年々増えたことにより、その必要性が増した。本学科のディプロマポリシーは、救急救命士と健康運動の指導者の養成であり、その両者が叶う研修の計画は難を極めたが、多くの方のご協力により、学科の第一回海外短期研修を開始することができた。本報告の目的は、研修内容を振り返り、学生の学びや今後の課題を明らかにすることで、次回以降の本学科海外研修の充実を図るのみならず、広く情報共有することにより、大学全体の国際化および海外研修の促進に貢献することである。2研修概要と目的海外研修は隔年開催で期間は1週間程度、学年に関係なく参加できるという条件に決まった。研修は、米国のパラメディック(救急隊員、日本では救急救命士に相当)とスポーツ施設や健康運動指導の視察であった。研修の目的は、1)救急救命士を目指す学生も健康運動の指導者を目指す学生も、米国と日本の違いを見極め、お互いの長所・短所を明らかにすること、2)そのキャリアに就いた際、米国の長所を日本にどのように導入したり活かしたりするか、また米国に行くことで気づいた日本の短所をどのように克服するのかをまとめることであった。事前・事後学習も設けられた。事前学習では、自らの課題設定のために、事前にパラメディックと健康運動の指導の現状をまとめた。また、英語学習のために本学PASEO(PreparationforAcademicStudyinEnglishOverseas)の授業履修を強く勧めた。事後学習では、各自で設定した課題を、研修中あるいは帰国後に解決しまとめた。まとめたことは、報告会にて、プレゼンテーション形式により報告された。3研修の内容第1日目:出国、中部国際空港から成田空港を経由しロサンゼルスへ第2日目:ロサンゼルス、スポーツトレーニングセンター(スタブハブセンター)視察と実習第3日目:リバーサイドコミュニティカレッジにてパラメディック実技研修、リバーサイド郡立メディカルセンターの病院視察、AMR(AmericanMedicalResponse)ユニフォームショップ視察第4日目:AMR視察、実習、空港消防署視察第5-6日目:帰国、ロサンゼルスから成田空港を経由し中部国際空港へ―153―スポーツ保健医療学科第一回海外短期研修を終えて岡村雪子*1・堀田典生*2・馬場礼三*3・北辻耕司*4要旨2017年3月14日から3月19日の6日間、米国ロサンゼルスにおいて、救急救命士および健康運動指導の現状を学び、学生自身のキャリア形成に還元することを目的に、生命健康科学部スポーツ保健医療学科第一回海外短期研修を実施した。本学科1年生から4年生まで18名(うち女子学生4名)の学生が参加し、教員3名が同行した。主な研修内容は米国のパラメディックおよび健康運動指導の視察であった。パラメディック研修では救急救命士養成学校の見学・講義および実技トレーニングへの参加、民間救急業務会社の視察・見学、空港消防署の見学等を行った。健康運動指導研修では、スポーツトレーニングセンターの見学・講義およびトレーニング体験への参加を行った。研修中および研修前後における学生の学びから、次回以降、より充実した研修実現に向けた課題を明らかにすることができた。キーワード海外研修、留学、パラメディック、スポーツ施設、医療機関*1生命健康科学部スポーツ保健医療学科講師*2生命健康科学部スポーツ保健医療学科准教授*3生命健康科学部スポーツ保健医療学科教授*4全学教育研究施設群救急救命教育・実習センター助手

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