中部大学教育研究16
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ラーニングを実践している。1年次A/Bクラスでは、学習状況のモニタリングとe-Learning活用が可能なCALL教室での授業を45分間、対話重視の授業を演習室で45分間行っている。(表1参照)一方A/Bよりも下位層にあたるC/Dクラスには、「リフレッシュ英語」をプラスし、180分授業に拡張している。(表2参照)C/DクラスではCALL教室を2コマ連続で活用し、一斉授業・グループ/ペア学習・個別学習をブレンドしている。A/Bクラスの授業では、教室の形態にかかわらず対面授業においてのみ得られる学習体験を重視し、ペア学習を最大限取り入れている。ここには、学生たちが高校までに経験してきた方法とは異なる学習形態を選ぶことで気持ちをリセットさせたいという意図がある。また、主体的に学ぶことへの可能性を感じさせようとしていると同時に、人とのコミュニケーションを英語学習の場でも体験し、協調的な関係を築いていこうとする姿勢を育成していこうとしている。カリキュラムの計画段階から、下位層の学生(C/Dクラス)には1年次の最初から自主的に英語を学ばせることは無理であることとして、授業内で全てのタスクを実践させ教師が学習を直接支援することができるよう2コマ連続の授業時間(180分)を確保した。(表2参照)1年次の春学期には、90分授業に慣れることさえ負担が大きいが、それでもなお180分間も「嫌いな英語」と向かい合わせることは、このプログラム最大の挑戦であったといえる。教員としては、説明や実践を納得がいくまで繰り返せるようにするため倍の時間をという思いがあるが、英語学習へのハードルが高い学生に対して学習時間を倍にすることは、教授法を間違えば英語嫌いをさらに悪化させることにもなりかねない。ここに不可欠なのは、「いつ、何を、どのくらい、どのように」教えていけばよいのかという段階的で綿密かつ柔軟な授業計画と「これならできるかもしれない」と英語学習に期待を持たせ得る教授法の選択である。平成26年度、平成27年度ともに、1年次春学期はC/Dクラスの歩調を合わせ、全体的な指導プランニングを練りその効果を把握していくため、C/D合同授業を1教室で実施し2教員が協働で指導した。2年次は、全クラスがLL教室での日本語母語話者教員による授業を45分間、演習室での英語母語話者教員によるアウトプット演習を45分間行った。こうすることで週90分しかない授業の中で、複数の教員・授業形態・学習環境・学習内容を体験し、1年次に身につけた力(特にリスニング力)を土台に話すこと、読むことへと英語の幅を拡大しようとした。(表3、表4参照)3授業コンセプトと教授法3.1授業の特徴1年次のプログラムの特徴は、次の5点である。最下位層に対する特別授業体制CALLを含むICTを全員に活用した授業環境教材作成・学習web環境[Glexa]活用した学習の高濃度化―73―ロボット理工学科英語強化カリキュラム表11年生A/Bクラス授業構成表21年生C/Dクラスの授業構成A/B(1)(2)CALL9:30-10:1545minBA10:15-11:0045minABC/D(1)(2)CALLCALL15:20-16:5090minCD17:05-18:3590minCD表32年生火曜日A/Cクラスの構成表42年生月曜日B/Dクラスの構成A/C(1)(1)LL13:35-14:2045minAC14:20-15:0545minCAB/D(1)(2)LL13:35-14:2045minBD14:20-15:0545minDB

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