中部大学教育研究16
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向性について考える」「インドネシアの生活習慣とマナー」「中国人と日本人の見方」「PFI事業」題目からだけでも、本学部の入学者の関心の多様さを見て取ることができよう。表彰予定者には事前にその事を打診してはいたものの、多様な種別の入試を経て入学してきた学生の中には、本レポート課題の存在を知らぬ者もおり、この表彰に対しては当初驚いた学生もいたようではあるが、授業後、大いに刺激を受けた旨の感想を教員にもらした者もいたことから、本活動はおおむね好評を博したようだ(第12回)。4包括的な新入生サポートを目指して「入学者が「生徒」から「学生」へと自立するために、学修・学生生活の全般にわたるガイダンス・支援を行っていく」ことが、スタートアップセミナーの「基本的な考え方」(「スタートアップセミナー実施に関する指針」)であることから、本学部においてはスタートアップセミナーと関連づけた以下のような課外活動を実施した。4.1新入生歓迎会5月25日のP.S.H.(ProfessorandStudentHour)に20号館1階の学生ラウンジにおいて、2年生以上の先輩が企画し、学科教員がサポートする形式で新入生歓迎会を開催した。国際学科になって初めての新入生歓迎会なので、実行委員の上級生たちもサポート教員も、1期生の記憶に永遠に残る会を、と準備の段階から気合を入れて臨んだ。4回の打ち合わせ会を開き、綿密な計画を立て、開催日を迎えた。司会の学生が先輩を代表し、新しい学科に入学した1年生に歓迎のあいさつをすることで、歓迎会は始まった。途中、国際知識に関するクイズを挟み、新入生と参加教員、上級生が世界各国のお菓子をつまみながら、歓談するなど、終始和気藹々の雰囲気であった。当日は、スタートアップセミナーで予め確認した参加希望者数を大きく上回り、新入生の半数近くが参加してくれた。多くの人が入場できるように、ラウンジに配置されている椅子も一時的に撤去しなければならないほどの盛況ぶりであった。翌週のスタートアップセミナーで、歓迎会の参加者に感想を聞いてみたら、おおむね満足だったようである。一部を以下に紹介する。「参加する前に、外国のお菓子が食べられると聞いていたので、正直、それが目当てだったのですが、会場に行ってみたら、先輩たちの共に先生方も大勢いらっしゃり、気さくに話しかけてくださいました。何よりも、先輩方と一緒にクイズで盛り上がったのがとても楽しかったです。私たちがわからなくて困っていると、『この問題、あの授業でやったからわかるよ』と教えてくれました。おかげで私たちのグループは高得点を獲得し、1位になれたので景品をもらうことができました。優しい先生と先輩ばかりで、本当に楽しい歓迎会でした。先輩みたいになるために、4年間頑張りたいと思いました」「先生だけでなく、先輩方とのコミュニケーションもできてよかったです。授業や留学のことなど、色々なことを経験してきた先輩からお話を聞けました。短時間でしたが、堅苦しい感じは全くなく、和やかな雰囲気でした。フレンドリーに話しかけてくれる先生や先輩ばかりで、参加してよかったです」新入生歓迎会を開催することによって、教員と学生との垣根を低くすることができ、学生にとっては自らが在籍する大学への愛着を一層増すことができたのではないかと思う。4.2語学学習懇談会国際学科では外国語科目がカリキュラムに占める割合が比較的高い。授業中行ったアンケートや面談でも、外国や外国語に関心を持っている人の多いことがわかっている。彼らの外国語学習の手助けとして、語学学習懇談会を開催することになった。1年生春学期の外国語開講科目は英語と中国語のみなので、懇談会は英、中の2言語を中心に行うことになった。新入生たちが外国語学習を通して、さまざまな国や地域の文化や社会に興味を持つ契機としてほしかったこともあり、この会はあえて「外国語科目期末試験対策の会」にはしなかった。6月22日のP.S.H.に20号館1階の学生ラウンジで、国際学科1年生対象の語学学習懇談会を開催した。当日、英語と中国語を担当する教員のサポートの下で、留学経験者や外国語の得意な上級生が新入生の相談相手になり、語学学習に関する様々なアドバイスを与えた。懇談会に参加した1年生からは以下のような感想が得られた。「知らないことが知れてよかったです。相談にちゃんと答えていただきありがとうございました。とにかく英語の勉強を頑張らなければいけないと思いました。頑張って派遣留学に合格できるように全力を尽くしたいと思います」「今日、先輩方や先生に色々なことを教えていただいて本当によかったと思いました。英語を勉強としてやるのではなく、気軽に楽しく覚えていいんだなと思―59―2016年度、国際学科発足1年目におけるスタートアップセミナー授業実践の試み

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