中部大学教育研究16
59/128

1はじめに健康とスポーツ教育科では、「心身の健康は、個人の最大の資産であり、健康の上にこそ個性の伸張が期待できる」との考えから、全学部全学科の新入学生に対して体力診断テストおよび形態・身体組成の測定を行っている。これは、自身の体力および身体組成について現状を認識させ健康に対する意識の啓発を行うと同時に、日常生活の中に運動習慣を定着させる必要性があることを理解するように意図したものである。本稿では、昨年実施した結果報告同様に2015年に入学した学生全員を対象に測定した項目の中から「体脂肪率」「骨密度」「血圧」「最大酸素摂取量」「体前屈」について学科別に結果を報告する。なお、女子学生については、少人数の学科が多くあるので、学部単位の報告とする。2測定2.1測定時期1年生の必修科目「健康科学」において、春学期に日本語日本文化学科、英語英米文化学科、コミュニケーション学科、心理学科、歴史地理学科、応用生物学科、環境生物学科、食品栄養科学科、生命医科学科、保健看護学科、理学療法学科、作業療法学科、臨床工学科、スポーツ保健医療学科、幼児教育学科、児童教育学科を測定した。秋学期に機械工学科、電気システム工学科、電子情報工学科、都市建設工学科、建築学科、応用化学科、ロボット理工学科、経営情報学科、経営学科、経営会計学科、国際関係学科、国際文化学科、中国語中国関係学科を測定した。なお、測定は、2~3回の授業時間の中で行った。2.2測定項目体力診断テストとして、筋力は「握力」、瞬発力は「垂直跳び」、敏捷性は「反復横跳び」、平衡性は「閉眼片足立ち」、柔軟性は「体前屈」、心肺持久性は「最大酸素摂取量」、筋持久力は「上体起こし」を実施した。形態及び身体組成検査として、「身長」「体重」「体脂肪率」「骨密度」「加速度脈波」「血圧」「脈拍」を実施した。今回は、体力診断テストの項目から「体脂肪率」「骨密度」「血圧」「最大酸素摂取量」「体前屈」について報告する。2.3測定方法◎体脂肪率については、衣服の重量、身長や年齢、性別を入力し、それらの情報と実際にはかる体重と身体の電気抵抗値(インピーダンス)を組み合わせて体脂肪を計るTANITAデュアル周波数体組成計DC320を使用した。測定単位は、体内に含まれる脂肪の重量の割合を%で示している。◎骨密度については、入力画面に年齢、性別、足位置を入力する。次に足の測定部位(両側)に接触する本体ゴム製の先端部分にゼリーを塗り、計測部の底に踵を入れプローブをロックし計測を行うエルクコーポレーション社製の超音波骨量測定装置CM-100を使用した。測定単位は、骨内伝播速度を用い、m/secで示している。◎血圧については、血圧計に腕帯に腕を通し正しい姿勢にしながら、測定ボタンを押すオムロンデジタル自動血圧計HEM-1040を使用した。測定結果は、血圧計が自動的に最高(収縮期血圧)、最低(拡張期血圧)血圧を記録する。測定単位は、水銀柱ミリメートル(mmHg)で示している。◎最大酸素摂取量については、プログラムの中で体力テストを選定し、コンピューターが体力(全身持久力=心肺・循環器系の能力)を測定する。年齢、性別、体重を入力して1分間安静ののち9分間ペダルをこぎ続け、コンピューターが運動中の脈拍の変化をイヤーセンサーで検出し、その時の脈拍の上がり方と運動量との関係から体力を測定するコンビウェルネス社製のエアロバイク900U-exを使用した。測定単位は、ml/kg/secで示している。◎体前屈については、昇降運動用踏み台などに利用するマルチボックスの上に乗り、立位で前屈を行い、-20cm~+35cmの測定範囲となっているフレクションデジタル前屈計を使用した。測定単位は、マルチボックスより下に行けば+表示、上であれば-表示で示している。―47―中部大学教育研究№16(2016)47-542015年度新入学生における体脂肪率、骨密度、血圧、最大酸素摂取量、体前屈の測定結果から梅嵜周毅・神田智浩・渡辺武弘・渡邉香・富田恭介

元のページ  ../index.html#59

このブックを見る