中部大学教育研究16
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5.3抽出語の探索について頻出語(上位50位)を抽出し、共起ネットワーク図を作成する過程で抽出した語の中で、もとの文章の中でどのように使用されていたかを確認する必要があると判断した語については、KWICコンコーダンスで検索し、コロケーション統計でそれらの語の直前や直後にどのような語が多く出現しているのかを集計し(表3)、もとの文章を確認した。確認した語は、①訪問看護に関する用語<ニーズ><連携>、②訪問看護に関わる人物<介護者>、③状態を表す名詞<状態><理解>、④状態を表す動詞<知る>、⑤その他<必要><人><大切><時間><自分><情報><重要><今回>である。<ニーズ>については、<利用者><家族><生活>が多く出現した。たとえば、「在宅という利用者によって違う環境、利用者や家族のニーズ・価値観、家族の介護力や家族のサポート体制などがある」「情報収集により利用者の生活状況を把握し、利用者のニーズを導き出すことが出来なければ、家族の療養生活を継続するための支援ができない」などであった。家族単位で生活上のニーズをアセスメントすることの重要性について述べていた。<連携>については、<他職種><多職種>が多く出現した。具体的な職種を挙げている箇所は少なかったが、ケアマネジャー(11回)、看護師(7回)、医師(5回)、主治医(2回)、管理栄養士(1回)、専門医(1回)、訪問看護師(1回)が挙がった。<介護者>については、<家族><利用者><負担><介護>が多く出現した。4つの語とも、家族は利用者を介護する負担を負っていることに言及し、それらを看護師が軽減し、持続可能な介護システムを作る必要性について述べる際に使われていた。たとえば、「家族も生活者としてとらえ、介護者の休養を看護師が訪問している間に取っていただくことも大事だ」「看護師は家族介護者の不安や悩みを傾聴し、生活や価値観を理解し心理的ケアをする必要がある」などであった。<状態>については、<利用者><健康><観察><家族>が多く出現した。たとえば、「家族への支援や健康状態の把握の必要性も学ぶことができた」「訪―42―大谷かがり・小塩泰代・寺本由美子・堀井直子表2各目標に特徴的な語表3検索した用語のコロケーション統計上位10語

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