中部大学教育研究16
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護技術】、【学内で体験した技術】の3つのグループに大別できた。以下、グループ毎の共起関係と関連する学生の記述内容を述べる。図1役立った知識・技術の共起ネットワーク(サブグラフ検出:頻出20回以上の抽出語)【全身麻酔と術後合併症に関する知識】黄色の円のグループを見てみると、“術後”と“合併症”を中心に“全身麻酔”、“起こる”や“事前”と同じグループで共起し、“症状”や“観察項目”というグループに属さないキーワードとも共起していた。実際の学生の記述を以下に示す。「授業で全身麻酔によって起こりうる術後合併症について学んだことで、術後の患者の観察項目を考えることができました。」「全身麻酔を使用しての術後合併症が起こるメカニズムを事前に調べておいたことが術後の看護に役だったと感じた。」「事前課題や授業で全身麻酔による身体への影響について学習していたため、術前から患者さんの術後起こり得る合併症(無気肺、イレウス、術後感染、術後出血、深部静脈血栓症)を予測することができた。」【基礎看護技術】次に紫色の円では、“患者”、“清拭”、“ケア”、“実際”と“必要”が共起していた。これらの抽出語に関連する学生の記述を以下に示す。「ケア時のスタンダードプリコーションの徹底、複数患者受け持ち実習では感染のリスクがない患者のケアの後に感染のリスクがある患者のケアを行うといった感染予防行動をとることができた。」「清拭について、背部はタオルを広げて背中に当てておくと気持ちがいいということも学んでいて、実際にその方法で清拭を行うと、「とっても気持ちいい」と言っていて、表情もリラックスされているような表情で患者の安楽を得ることや、リラックスしてもらうためには、とても役立ったと感じた。」【学内で体験した技術】青緑色の円では、“気管挿管”と“出来る”が同じグループで共起し、別グループの“実際”や“全身麻酔”とも共起していた。これらの抽出語に関連する学生の記述は以下を示す。「授業で、実際ドレーンや、気管挿管の器具など見ておいたことで臨床ではどのように使用するのか、どんな器具なのかイメージが付きやすかった。」「気管挿管の介助の練習を授業で行ったことで、手術室で行う際も緊張はしたものの、焦ることなく実施できました。」「手術室見学で、気管挿管の介助をさせていただいた。気管挿管時に使用する物品には、名前を聞いただけではその物の形状を想像することが出来ない物(例:スタイレット)もあるため、事前に学内でモデルを用いて気管挿管の実技を行っていたことで、スムーズに物品を扱うことが出来た。さらに、気管挿管の実技を行っていたことで、気管挿管の一連の流れがイメージしやすかった。そして実施者が目を離さないようにいられる介助をすることが大切だということもわかっていたので、そういう点に気を付けて介助を行なうことが出来た。」「学内実習で酸素療法、気管挿管、人工呼吸器について実際の器具を用いて行ったので手術室やICUの見学実習のときにその場面をみて授業を思い出しながら見学することができた。」不足していた知識・技術の共起ネットワーク(図2)では【術後患者のアセスメント】と【術後患者の反応―35―学生が臨地実習で必要と感じる知識と技術図2不足していた知識・技術(サブグラフ検出:頻出20回以上の抽出語)

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