中部大学教育研究16
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タを操作する前の不安や緊張を測定するもので、図1に示した20項目のNo.3,5,6,9,11,14,16,19の8項目から成り、このうちの5,11,16が逆転項目である。2つ目の統制不能感尺度は、コンピュータを思い通りに操作することができないという信念や感覚を測定するもので、No.2,8,10,15,17の5項目から成り、すべてが逆転項目である。3つめの嫌悪回避感尺度はコンピュータに対する嫌悪感や操作したくないという感覚・信念を測定するもので、No.1,4,7,12,13,18の6項目から成り、4,7,12,18が逆転項目である。3つの尺度の春学期と秋学期の評定値平均とSDを図2に示す。このデータを学期と尺度を参加者内要因とする2要因分散分析で分析した。その結果、学期の主効果(F(1,1492)=54.67,p<.01)、尺度の主効果(F(2,2984)=1541.78,p<.01)、交互作用(F(2,2984)=49.65,p<.01)のすべてが有意だった。そこで、尺度毎の学期の単純主効果を調べたところ、不安緊張感尺度(F(1,4476)=27.56,p<.01)と統制不能感尺度(F(1,4476)=129.98,p<.01)で有意差が認められ、春学期より秋学期の方が評定値平均が低かったが、嫌悪回避感尺度では有意でなく(F(1,4476)=0.86,ns)、学期間の差は認められなかった。この結果は、1年間のIT教育を通じて、学生のコンピュータ操作への不安緊張感と統制不能感は減少―16―水野りか・GregoryKing・柳朋宏・渡部展也・柳谷啓子・尾鼻崇・永田典子・嘉原優子・山本裕子表2人文学部全体の5年間の春学期と秋学期の質問項目の平均評定値とSD(降順に並べ替え)NoSD163.643.7753.483.67113.313.4873.163.1343.043.20182.963.0622.783.11102.752.8462.742.5482.703.01122.702.84152.692.95172.622.9192.392.2312.342.4532.292.25202.272.19132.262.31142.192.09191.991.94NoSD163.771.2653.671.23113.481.1543.201.1673.131.1723.111.02183.061.0883.011.07152.951.04172.911.13102.841.13122.841.1362.541.1912.451.13132.311.2332.251.1892.231.16202.191.15142.091.12191.941.07

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